この記事ではそんな疑問にお答えします。
大学を卒業して企業に勤めた場合は、会社から給付される給与から税金や社会保険料が引かれた分が自分の口座に振り込まれます。
個人事業主や自営業となる場合は、その分を自分で納付しなければいけません。
どちらの場合にせよ、一体毎月いくら税金がかかっていくら社会保険料がかかるのかを知っておく必要があります。
そこで今回は、社会人が支払うべき税金と保険料を3分で解説していきます。
知らないと損をするような知識だけをまとめたので、参考にしてみてください。
社会人になると何が変わるのか
社会人になると税金やら保険料を支払う必要が出てきますが、それは条件額以上の所得が生まれるからです。
大学生に馴染みのある言葉で言えば、103万円の壁だったり130万円の壁だったりですね。
その金額を超えると所得税や社会保険料を支払う義務が生じるわけです。
その通りです。知識がないと知らないうちに働きすぎて、あとあと税金やら保険料やらを支払う必要が出てきてしまいます。
大学生がアルバイトで稼いでも問題ない上限はこの記事で全て解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
まずはじめに、社会人が支払うべき税金についてみていきます。
支払うべき税金の種類
社会人が支払う税金は以下の2つ。
①所得税
②住民税
それではひとつずつみていきます。
所得税
所得税とは毎年1月1日から12月31日までに生じた所得に対して課せられる税金のことです。
年齢は一切関係なく、生じた所得に対して税率がかかり、それを納付する仕組みとなっています。
企業に勤めた場合は、毎月の給与から所得税が事前に引かれていて(源泉徴収と呼びます)、過不足分に関しては12月の年末調整によって修正します。
なので、サラリーマンは自分で所得税の手続きをする必要がありません。
逆に個人事業主や自営業の方は自分で1年間の所得税を計算し、税務署に納税をする確定申告と呼ばれる作業をする必要があります。
もし確定申告をしなかった場合は延滞税や無申告加算税と呼ばれる追徴金が課されてしまいます。
最初は難しそうに聞こえますが、この記事を読めばスッと頭に入ってくるので参考にしてみてください。
住民税
住民税は、その地域に住んでいる住民が負担する税金のことです。
企業に勤めた場合、こちらも住民税と同様に給与から事前に引かれているのでサラリーマンは特に何もする必要はありません。
しかし、個人事業主や自営業の方は毎年送られてくる税額通知書を持って役場や金融機関にて支払う必要があります。
大学生もアルバイトで給与が約100万円を超えた場合は住民税を支払う必要があり、住んでいる地域によって多少の誤差はありますが、年間3万円ほどとなっています。
アルバイトで稼げば稼ぐほど様々な税金を始めとして、社会保険料も支払う義務業生じるので、いくらまでなら問題ないのか事前に把握しておきましょう。
では次に、意外と知らない社会保険料についてみていきます。
社会保険料の種類
社会保険料は企業に勤めているかどうかで種類が異なります。なので、
①会社員の場合
②個人事業主や自営業の場合
この2パターンに分けてみていきます。
会社員の場合
会社員の場合、社会保険料として支払う義務があるのは以下の5つ。
①健康保険料
②国民年金
③厚生年金
④雇用保険料
⑤介護保険(40歳以上)
それではひとつずつみていきます。
健康保険料
健康保険制度とは、仕事とは別の理由で病気や事故にあった際にかかった医療費の一部を負担する公的な医療保険制度です。
これ以外にも加入者の出産時や死亡時にも対処するための制度も設けられています。
社会保険制度に加入する企業で働く場合は、健康保険の加入必須なので毎月保険料を支払う必要があります。
国民年金
日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入している年金を国民年金と呼びます。
学生も自営業も会社員も専業主婦もありとあらゆる職業の方が対象であり、年金の基本的な役割を担うので基礎年金と呼ぶ人もいます。
年金制度の土台になっているので、建物にたとえて年金の一階部分と呼ばれています。
厚生年金
厚生年金保険とは、すべての国民が加入必須の“国民年金制度”に上乗せされる形の年金保険です。
会社に入っていると厚生年金保険の支払いがあるために、老後に自営業の人よりも年金がたくさんもらえるわけです。
主に会社員が保険の加入者であり、扶養している家族も含めて年金は給付されます。
そんな人はこの記事で最低限の知識を知っておきましょう。
雇用保険料
雇用保険とは、会社で働く人が安定した生活を送るための保障を支援する公的な保険制度です。
例えば、会社を退職して失業した人の生活を保障する“失業保険”などがあげられます。
他にも育児休業給付金や介護休業給付金といった補償を受けることもでき、様々なサポート体制が整っています。
雇用保険料は業種によって異なり、会社と労働者が一定の割合で負担をします。
介護保険(40歳以上)
介護保険とは、要介護認定を受けた65歳以上の高齢者などが安心して日常生活を送れるような医療サービスを提供する制度です。
デイサービスを1割負担で利用できたりと、介護に関する費用を抑えることができます。
40歳以上の人は加入が義務付けられており、期限はないので一生払い続ける必要があります。
少子高齢化の波によって今よりも保険料が上がる、もしくは自己負担額が増えると予想されているので、今後の動向に注目です。
個人事業主や自営業の場合
企業に属さない個人事業主や自営業の人が支払う義務があるのは以下のつ3です。
①国民健康保険料
②国民年金
③介護保険(40歳以上)
それではひとつずつみていきます。
国民健康保険料
日本には国民皆保険という制度があり、基本的に全ての国民は何らかの医療保険に加入することが義務となっています。
企業に所属する人は健康保険料を支払えばいいのですが、そうでない人は国民健康保険に加入する必要があります。
支払う金額は家族の人数や前年の所得、住んでいる地域をもとに決まります。
国民年金
日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入義務のある年金なので、個人事業主や自営業の人も加入必須です。
私的年金を利用しなければ、企業に属さない人は、老後年金がこの国民年金だけになるので物足りないと感じる人も多いです。
私的年金に関してはこの記事を参考にしてみてください。
介護保険(40歳以上)
こちらは会社員同様、40歳以上になったら支払う義務が生じます。
では最後に、両者の社会保険料の比較と老後もらえる年金額の違いをみていきます。
毎月いくら支払う必要があるのかシュミレーション
上で説明したことを表にまとめると以下のようになります。
個人事業主 | サラリーマン | |
健康保険 | 国民健康保険 | 健康保険 |
年金 | 国民年金 | 国民年金+厚生年金 |
労災保険 | 入れる業種のみ | 会社が負担 |
雇用保険 | 加入不可 | 本人負担 |
介護保険(40歳以上) | 40歳以上 | 40歳以上 |
では具体的に、サラリーマンと個人事業主で毎月支払う税金や保険料の違いをみていきます。
サラリーマンの場合
企業に勤める新入社員の例(基本給20万円+通勤手当2万円で標準月額報酬が22万円)で考えてみます。
標準月額報酬とは、毎月平均していくら貰っているかの数字です。標準月額報酬から引かれるのは、
①健康保険料
②厚生年金
③雇用保険料
④住民税
⑤所得税
の5つです。
まず健康保険料は会社によって異なりますが、標準月額報酬の約5%と言われているので約1万円。
厚生年金は国が支払額を定めており、どの会社でも約9%と言われているので約2万円。
雇用保険料は0.3%と定められているので、月額500円ほどです。
住民税は前年の所得に課税された分を納めるので、新入社員は基本的に支払う必要がありません。
最後に所得税ですが、これはトータル22万円から①〜④の分を引いた課税所得(いわば手取り)に所得税率をかけて計算します。
所得税率は年収によって変わるのですが、この場合は約2%なので、所得税は毎月3500円ほどです。
これらを表にすると、
健康保険料 | 約1万円 |
厚生年金 | 約2万円 |
雇用保険料 | 約500円 |
所得税 | 約3500円 |
合計 | 約3万4000円 |
手取り(22万ー合計) | 18万6000円 |
毎月15%分が税金や社会保険料として出ていくわけですね。
2年目以降は住民税もかかるので、毎月の支払いが1万円弱増えてしまいます。
さらにさらに、この手取りの中から国民年金月額16.410円を支払う必要もあるので忘れないようにしましょう。
個人事業主やフリーランスの場合
こういった方が支払う義務があるのがこの4つ。
①国民健康保険
②国民年金
③住民税
④所得税
①の国民健康保険は計算がかなり複雑で、住んでいる地域や前年の所得、世帯の人数によって大きく変わります。
所得(収入―経費など)が240万円で24歳の場合、毎月約1.5万円ほどがひとつの目安となります。
国民年金も会社員と同様に、月額16.410円となっています。
住民税はサラリーマンの時と同様に、前年の収入や住んでいる地域によって変わり、20代のうちは約1万円ほどです。
所得税に関しては、確定申告で必要経費を計上して残った所得に税率をかけるので、計算方法としてはサラリーマンの場合と変わりません。
先ほどの新入社員と同じくらいの所得があった場合、月々の支払いは住民税を入れて5万円弱ほどになります。
国民年金と厚生年金でもらえる額の違いはこの記事を参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたか?
会社員と個人事業主で支払う社会保険料は異なりますが、
①住民税
②所得税
③国民年金
④介護保険
この4つはどちらも共通して支払う義務があります。
どちらの働き方にもメリット・デメリットがあるので、それらを踏まえた上で働き方を選択しましょう。