大学生の教養

新・いちばん丁寧なパレスチナ問題の解説【小学生でもわかる】

新いちばん丁寧なパレスチナ問題の解説

この記事では、パレスチナ問題をいちばん丁寧に解説していきます。

まずはパレスチナという単語をはじめて聞いた小学生でもわかるように説明します。そして段々内容を深くしていき、大人の教養として通用する知識を、一生忘れないよう習得できるようにします。

次の記事では、大学受験の記述や論述でも通用するような徹底解説を行います。時事ネタとしては就活でも重要ですね。

新・いちばん丁寧なパレスチナ問題の歴史【難関国立大学受験レベル】

自分の目指す理解度のところまで読み進めていただければと思います。ではやっていきましょう。

小学生でもわかるパレスチナ問題の説明

パレスチナ問題を一番易しく言うと、『土地の取り合い』です。今日はこれだけ覚えて帰りましょう。パレスチナ問題は土地の取り合い!

どこが?と言うと、もちろん『パレスチナ』です。このパレスチナが誰の土地か解決していないので未だに続く『問題』なわけです。パレスチナ戦争というとまた別の単語で、戦争の話だけになってしまいます。『問題』と言っている場合は戦争も戦争以外も全部ひっくるめた話です。

では、パレスチナとはどこなのか。誰が土地を取り合っているのか。そして何が問題なのか。少しずつ詳しくしていきましょう。

パレスチナ問題の場所

パレスチナとはどこか。土地の取り合いなわけですから土地の場所は重要です。でも、これがややこしいのです。大人でもきちんと地図を描ける人は少ないです。

まず、パレスチナは今は正式には国の名前ではありません。パレスチナは地域の名前と覚えてください。どこにあるのかは以下の地図を見てみましょう。

イスラエルの地図

この地図がどこかわかりますか?世界地図上の、アフリカの上・ヨーロッパの右です。もっと言うとアラビア半島の付け根であり地中海と紅海の間くらいですね。このあたりを中東といいます。パレスチナという地域は中東にあるんですね。

地図の赤い部分をみてください。ここは『イスラエル』という国です。下やじるしのような形をしていますよね?もしくは下に飛び込む魚みたいな。僕はナルトのクナイみたいだなと思っていますw

ナルトのクナイ

クナイの持ち手の部分のように、ボコンっとへこんでいるのがわかりますか?このイスラエル国の持ち手が『パレスチナ』という地域です。

もっと拡大した地図を見てみましょう。イスラエルの地図です。オレンジで色がついている範囲が『パレスチナ』という地域。先ほどクナイの持ち手と言った箇所ですね。

右に大きい縦の楕円があり、左側にちょこっと『ガザ』と書かれた地域があります。この二か所を合わせて『パレスチナ自治区』というのです。『パレスチナ』は二か所に飛び地になっているのでわかりにくいんです

クナイの持ち手ではなく、横顔みたいと覚えてもいいかもしれませんね。ガザを吐き出してるみたいな…あまりいい絵面ではありませんがw

大きな横顔の部分は、『エルサレム』という土地が入っているんです。ここが非常に重要な点なので覚えておきましょう。パレスチナとはエルサレムを含む地域なんです。

ここまで理解できれば場所はバッチリです。(スマホで見ている方は片手を離して空に描いてみてください。アフロで顎が長い人の横顔、口元にエルサレム、ガザを吐き出したところですwこれで一生忘れません。)

パレスチナを取り合っているのは誰か

次に、誰がパレスチナを取り合っているのか。これは、ユダヤ人とアラブ人です。

ユダヤ人とは

ユダヤ人とはユダヤ教を信じている人々です。

我々日本人にはこの○○人というのがわかりにくい。それは日本人は基本的に日本という国に住んでいるただ一つの民族だと思っているので、『A人=A国の人』『B人=B国の人』、とならないとよくわからなくなってしまうんですよね。

でも世界では、一つの民族が一つの国にいることばかりではないのです。ユダヤ人とは前述したようにユダヤ教という宗教を信じている人々で、その人々は「この国に住んでいる」とわかりやすく決まった住まいがあるわけではありません。

長い歴史の中でユダヤ人は世界中に散り散りになってしまいました。国がないから国が欲しい。国を作りたい。こうやってできたのがイスラエルです。

さっきの地図上にある、クナイの国「イスラエル」を建国したのがユダヤ人だったんですね。

アラブ人とは

次に、ユダヤ人と対立しているアラブ人について説明します。アラブ人もよくわからないよね。そう、アラブ人って定義がないのです。ユダヤ人の方が『ユダヤ教を信じている人々』で括れるからまだわかりやすい。

アラブ人=中東を中心にいっぱいいる人としか言いようがないかなあ。北アフリカにも多いです。アラビア語を話す人をアラブ人としたり、イスラム教を信じている人をアラブ人としたり、様々です。パレスチナ問題を考える中では、『中東にいっぱいいるイスラム教徒側』と覚えましょう。

中東にいっぱいいるわけだから、パレスチナの地域にも当然アラブ人がいっぱい住んでいました。そこにイスラエル=ユダヤ人が作った国ができちゃったから怒ってるんだね。

なぜ怒っているか、簡単に言うとイスラム教もエルサレムが欲しいからです。エルサレムはユダヤ人からしても重要な土地だったんだよね。

怒って争って、エルサレム含むパレスチナ自治区は今アラブ人のものです。パレスチナ人と書かれていることがあればイコールアラブ人だと思ってください。

宗教的に重要な土地がユダヤ教でもイスラム教でもエルサレムなので、今も尚取り合いになってしまっています。パレスチナ問題は土地の取り合い。それも、エルサレムの取り合いなのです。

パレスチナ問題の大まかな歴史

ここまで話した内容をまとめると、アラブ人が住んでいる中東があって、そこにユダヤ人が集まってきて、イスラエルという国を創った。アラブ人は怒って反発する。今現在パレスチナはかなり国に近い形で認められていて、国になる直前の国という感じ。この2つが今も空爆をしたり戦い続けてるんだね。

もうちょっと詳しい歴史に広げて、覚えやすいように起承転結でお話します。

まずは「起」。はるか昔、2000年前に遡ります。むかーしむかしはイスラエルはユダヤ人の国でした。ここがややこしいね、もともとユダヤ人のものだった。でも長い歴史の中で追い出されて世界に散り散りになってしまいます。そしてアラブ人がイスラエルの地に住むようになりました。

次に「承」。ヨーロッパの国々が出来て強くなっていった時代に飛びます。アラブ人は、小さな単位のいろんな民族に分かれてそれぞれバラバラに暮らしている状態でした。「アラブ人だけの国家」が作れておらず、強い国家に搾取されてしまいます。この頃ユダヤ人は各地に散らばっていますが、「イスラエルの地に還りたい」「ユダヤ人の国を創りたい」という想いもずっとあります。

次に「転」。そこで、イギリスが出てきて、かの有名な嘘をつきます。「アラブ人は団結して国をつくっていいよ!」という嘘と、「ユダヤ人はイスラエルを作っていいよ!」という嘘です。どっちかは本当では?と思うかもしれませんが、フランスと「中東を俺たちで分け合おう!」という約束も同時にしていたので、アラブ人とユダヤ人に対しての約束はどちらも嘘だったのです。両者は同じ土地に住みたいわけだから、どちらも一緒に成立はするわけがないよね。

最後に「結」。ドイツがヨーロッパに住んでいるユダヤ人を迫害し虐殺しました。ひどすぎます。あまりにひどいので、他の国々は「ユダヤ人の国があったらこんなことにならなかったよね。イスラエルを建てていいよ」ということになりました。

「結」と言いましたが、実際はまだ完結していません。イスラエル建国にアラブ人は反発し、4回戦争が起こります。でもほとんどユダヤ人=イスラエル側が勝ち、追い出すことができません。もうユダヤ人はイスラエルにいるし、アラブ人はパレスチナにいるし、今もバチバチしたままです。

これが大まかな歴史です。人物名や条約名などを全部カットしているのでこのままテストでは答えられないですが、まずは大枠を掴みましょう。小学生中学生や、大人の教養としてはこの歴史の流れがわかっていれば十分だと思います。

ですが、受験や就活でパレスチナ問題に答えられるようにしたいのであれば、これでは不十分ですね。特に『転』と『結』は重要単語がたくさん並び、もっと覚えることがたくさんあります。これは次の記事でお話していきますね。

新・いちばん丁寧なパレスチナ問題の歴史【難関国立大学受験レベル】