大学生の教養

【知らなきゃ相当ヤバい】ビールの種類と分類【基本のキを徹底解説】

 

IPAとかピルスナーとか名前は聞いたことあって詳しく知りたいけど、種類も多いし何だか難しそう・・・
アンバーとかブラウンとか色の違いの分類も知りたい!
生ビールの生ってどんな意味なの?

近年小規模醸造のクラフトビール業界が盛り上がっていますが、何やら難しそうな単語ばかりで知識はないけどとりあえず飲むのは好き!という人は多いと思います。

しかし、基本的な知識を知ればもっともっとビールを美味しく飲むことができるんです。

そこで今回は、知るだけでビールが何倍も美味しくなるビールの分類や豆知識を紹介します。

 

翔平
翔平
仮に知識がゼロでも、この記事を読めば人並み以上の知識を身につけることができますよ!

 

最低限知っておきたいビールの分類

そもそもビールは以下の6つのプロセスを経て作られます。

①原料選び(大麦・ホップ・酵母・水を選ぶ)

②製麦(大麦を乾燥させて麦芽にする)

③粉砕(麦芽を砕く)

④仕込み(ホップを加えて煮る)

⑤発酵・熟成(酵母を投入して発酵させる)

⑥濾過・熱処理(酵母を濾過・熱処理で殺菌する)

この過程の中で、どんな国の原料を使うのか、どんな酵母を使って発酵するのか、熱処理をするのかしないのか、そうやってビールが分類されていきます。

そうやって様々なビールが作られ、今では世界に100種類以上のビールがあります。

そんなにあるの?日本のビールってどれも似た味だからそんなに種類があると思わなかった。

それもそのはず。日本のビールの約95%はピルスナーという種類に含まれるんです。

世界にはもっと多くのビールがあるので、ひとつずつ学んでいきましょう!

翔平
翔平
以下の3つの分類をマスターしよう

①発酵方式による分類

②色による分類

③熱処理による分類

翔平
翔平
それじゃあ一番重要な「発酵方式」による分類を見ていくよ!

 

【最重要】発酵方式による分類

これが一番重要な分類です。

①原料選び(大麦・ホップ・酵母・水を選ぶ)

②製麦(大麦を乾燥させて麦芽にする)

③粉砕(麦芽を砕く)

④仕込み(ホップを加えて煮る)

⑤発酵・熟成(酵母を投入して発酵させる)←ここ

⑥濾過・熱処理(酵母を濾過・熱処理で殺菌する)

今回は⑤の“どの酵母を投入するのか?”で違いが生じます。それによって以下の3パターンの分類が生まれます。

①上面発酵ビール

②下面発酵ビール

③自然発酵ビール

それではひとつずつ見ていきます。

 

上面発酵ビール

香り豊かで味わい深いエール酵母を使うのが、上面発酵のエールビールです。

20℃くらいで発酵させ、発酵が終わる頃に酵母がビール液の上面に浮上してくることからこの名前がつけられました。

主にヨーロッパで好まれるスタイルであり、フルーティーさと豊かな風味が特徴的です。このタイプで有名なスタイルがこの3つ。

①IPA

②ヴァイツェン

③ポーター

写真付きで特徴を解説していきます。

 

IPA

IPAは18世紀末イギリスで生まれたビールです。

当時植民地だったインドにビールを輸送する際、高温多湿な長い航海に耐えきれず腐るものが多かったので、強い苦味を生み出すホップを大量に投入したことがきっかけで生まれました。

ヨーロッパ系の人はこのスタイルを好みますが、日本人からすると

日本人
日本人
なんだこれ苦いし匂いがきつい・・・!

と少し抵抗があるかもしれません。

日本ではインドの青鬼というビールがIPAに分類されるので、興味のある人はぜひ一度飲んでみてください。

ヨーロッパで飲んだIPAよりもさらに苦味の強い、一度飲んだらクセになるビールであり、モンドセレクション金賞を4年連続受賞するクオリティです。

 

ヴァイツェン

ヴァイツェンはドイツで生まれたバナナの香りのするフルーティーなビールです。

本来ビール製造には大麦を使うのですが、ドイツで昔からよく取れた小麦を代わりに入れることで甘みのあるビールが完成しました。

苦味が少ないので、現地では“飲むパン”と称されるほど。

日本では常陸野ネストビールのヴァイツェンが有名です。

ドイツの農林省から2年連続で金メダルを授与され、本場のお墨付きをもらっています。

ニューヨークでも人気が出て、世界30カ国以上に輸出されるほど人気で、泡持ちの良さとクリーミーな口当たりが特徴的です。

ふくろうのデザインも可愛いですね!

 

スタウト

スタウトはアイルランドで生まれた黒ビールです。

名前の由来は、英語でどっしりとしたという意味を持つstoutだそう。

大麦を長い時間かけて焙煎するのでここまで色の濃いビールができあがります。

そのため濃厚な味で、苦味も酸味も強く、アルコール度数も高めとなっています。

ただ、スタウトの苦さはコーヒーに近く香ばしい苦味なので、ビール特有の苦味が嫌な人でも意外にも飲めてしまいます。

日本では箕面ビールのスタウトが有名です。

世界的なビールのコンペティションで数々の賞を受賞していて、コーヒーやビターチョコレートを思わせるようなフレーバーです。

受賞一覧

☆2009年 World Beer Award 世界金賞受賞
☆2013年 International Brewing Awards 銅賞受賞
☆2014年 World Beer Awards 世界金賞受賞
☆2016年 World Beer Cup 世界金賞受賞

何倍でも飲みたい黒!を追求した本物のスタウト、ぜひ一度味わってみてください。

 

下面発酵ビール

すっきりとしたキレのあるラガー酵母を使うのが、下面発酵のラガービールです。

0~15℃くらいの低温で長い時間かけて発酵させ、発酵が終わる頃に酵母が容器の下面に沈殿することからこの名前がつけられました。

低温貯蔵が可能なので、冬は寒く夏は暑い日本のような気候を持つ地域で好んで作られました。

このタイプで有名なスタイルがこの3つ。

①ピルスナー

②ウィンナーラガー

③シュバルツ

写真付きで特徴を解説していきます。

 

ピルスナー

ピルスナーはビール大国チェコで1842年に作られた黄金色のビールです。

日本ではこのスタイルのビールが9割以上を占め、もはや国民的なビールと言えますね。

ただ同じピルスナーと一口に言っても、日本ではキリッとした苦味と爽快な喉越しが、ヨーロッパでは喉越しよりも味に重きが置かれているので、飲み比べをしてみるのも面白いですね。

日本のクラフトビールで一押しのピルスナーは、コエドビールです。

1997年に本場ドイツから職人を招いて5年かけて学んだ伝統的な製法で醸造している甲斐あって、世界各地で様々な賞を受賞しています。

受賞歴

2017 Meininger International Craft Beer Award Gold Award
2013 Asia Beer Award Silver Award
2008~2011 iTQi Two Stars Award in row
2007 iTQi One Star award
2007 Monde Selection Grand Gold Award

COEDOシリーズの中で最も人気のビールなので、ぜひ一度試してみてください。

 

ウィンナーラガー

ウィンナーラガーは1841年にオーストリアで生まれた見た目が美しいエールビールです。

麦芽を黒くなる直前まで炒ることで、独特な赤みを演出しています。

ただ、後のオーストリア=ハンガリー帝国の崩壊とともにウィンナーラガーが衰退し、現在ヨーロッパでは比較的マイナーな存在となってしまいました。

ウィーンに行く機会があれば、この記事を参考に本場のウィンナーラガーを飲んでみてください。



オーストリアまで行く機会なんてない!

そんな人は、愛知県の盛田金しゃちビールで製造されている“ミツボシビール ウィンナースタイルラガー”がおすすめです。

ウィンナーラガーというニッチなタイプのビールですが、世界で様々な賞を受賞している実績があります。

受賞歴

2014インターナショナルビアカップ銅賞

2014アジアビアカップ銅賞

2013インターナショナルビアコンペティション銀賞

製造元の盛田金しゃちビールは明治時代から続く老舗であり、100年以上の伝統と信頼を凝縮してこのビールを創り出しました。

かなりクオリティが高いので、ぜひ一度試してみてください。

 

シュバルツ

ドイツ語で「黒」を意味するシュバルツ。

その名の通り、外観は美しい黒色をしており、ローストされた麦芽の甘味と香ばしさが特徴的です。

先ほどのスタウトも黒ビールですが、シュバルツは下面発酵なのですっきりとした後味の黒ビールと言えます。

中でもオススメはCOEDOの漆黒

艶やかな黒色と茶白色のお摩耶かな泡立ちのコントラストが絶妙なシュバルツです。

COEDOの中でも有名で、海外のビール審査会で最上位の評価を受けている世界的に認められた黒ビールとなっています。

受賞歴

2017 Meininger International Craft Beer Award Platinum Award
2017 Australian International Beer Award Bronze Award
2016 Hong Kong & Macau Beer Cup Gold Award
2016 Australian International Beer Award Gold Award
2016 LA international beer competition Gold Award
2015 European Beer Star Gold Award
2014 Hong Kong International Beer Award Best Dark Beer
2011 European Beer Star Gold Award
2007~2011 iTQi Two Stars Award in row2008 Monde Selection Grand Gold Award
2007 Monde Selection Silver Award

スタウトやポーターといった上面発酵の黒ビールとは違い、とろみや質量感が少なく、ライトに飲めるのが嬉しいですね。

世界も認める一杯をぜひ試してみてください。

 

自然発酵ビール

培養されていない野生の酵母を使用した製法で作られるのが、この自然発酵ビール。

ベルギーのランビックと呼ばれるビールや、フルーツビールがこの製法で作られています。

自然に生息する酵母だけで発酵させるため、普通の酵母では分解できないデキストリンという炭水化物も分解し、非常に糖度が低く酸味が強い味のビールとなります。

日本ではいわて蔵ビールが最も有名です。

干し柿に付着した天然酵母を利用し、白い花のようなフローラルな香りと穏やかな酸味が調和した完成度の高い自然発酵ビールを楽しむことができます。

2015年だけでこんなにも賞を受賞するくらいレベルの高い醸造所なので、ぜひ一度試してみてください。

受賞歴(2015年)

ワールドビアアワードジャパンゴールドメダル(バーレーワイン)
ワールドビアアワードジャパンゴールドメダル(三陸牡蠣のスタウト)
ワールドビアアワードジャパンゴールドメダル(スタウト)
ワールドビアアワードジャパンシルバーメダル(ジャパニーズハーブエール山椒)
ワールドビアアワードアジアゴールドメダル(三陸牡蠣のスタウト)
インターナショナルビアカップブロンズメダル(三陸牡蠣のスタウト)
インターナショナルビアカップブロンズメダル(ジャパニーズハーブエール山椒)
インターナショナルビアカップブロンズメダル(ホヤスモークエール)
インターナショナルビアカップブロンズメダル(インディアペールエール)
Beer1グランプリ スタウトポーター部門グランプリ(三陸牡蠣のスタウト)

 

色による分類

お次はビールの色による呼び方の違いについてです。最低限覚えておきたいのはこの3つ。

①ペール(淡い)

②アンバー(琥珀色〜赤褐色)

③シュバルツ(黒色)

IPA(Indian Pale Ale)は、インド由来の淡い色のエールという意味になります。

アンバービールはアメリカのエールビールですが、苦味だけでなくカラメルのような香ばしい香りもするビールです。

日本では琥珀色なんて表現をしますね。

そして、先ほど紹介したシュバルツはそれ自体が黒という意味を持ちます。こうやって色によってビールが分類される場合もあります。

 

熱処理による分類

①原料選び(大麦・ホップ・酵母・水を選ぶ)

②製麦(大麦を乾燥させて麦芽にする)

③粉砕(麦芽を砕く)

④仕込み(ホップを加えて煮る)

⑤発酵・熟成(酵母を投入して発酵させる)

⑥濾過・熱処理(酵母を濾過・熱処理で殺菌する)←ここ

この最終段階において熱処理をするかどうかも大きな鍵になります。

というのも、濾過によって酵母を取り除いただけで熱処理をしていないビールは、みなさんご存知の通り生ビールと呼ばれるからです。

生ビールは熱処理をしていない分、酵母の活動が続くので品質の劣化が早く保存性に優れていません。

なので、お店の管理状況によっては生ビールでも美味しくない!なんてことがありえるわけですね。

逆に、熱処理をして完全に酵母の活動を止めれば、常温でも安定して飲めるビールとなります。

熱処理をしてあるビールの代表格といえば、キリンのクラシックラガーです。

普通の生ビールと飲み比べをしてみるのも面白いですね。

 

まとめ

いかがでしたか?ビールの分類(スタイル)は100種類以上あり、味もそれぞれです。

OL
OL
今日は疲れたからすっきり飲めるスタウトにしようかな〜
サラリーマン
サラリーマン
仕事の山を越えたし今日は度数の高いベルギービールで乾杯だ!

そんな風に毎日違う顔のビールを楽しむ事ができれば、今よりももっとビールを楽しむ事ができますよ。

ちなみにヨーロッパ14カ国を回ってそこでしか飲めない幻のビールを調べてきました。ヨーロッパに行く予定のある人は参考にしてみてください。