この記事はそんな悩みにお答えします。
外資コンサル業界を目指す就活生は、一度はEYという会社を見たことがあるはず。しかし、ネットで検索しても採用フローや口コミを紹介しているサイトが少なく、会社のイメージがつきにくいですよね。
そこで今回は、実際にEYから内定をもらった経験を踏まえて採用フローや社員さんの雰囲気、当時どんなESを提出したのかまで詳しく書いていきます。
ちなみに僕は本選考ではなく、サマーインターン参加からの採用フローだったので、サマー参加希望者は参考になる部分が多いと思います。
そもそもEYとは
まずEYという会社の基礎知識をまとめます。最低限の知識を知っておかないと忠誠心という観点で悪い印象を与える可能性があるので、確実に押さえておきましょう。
EYは会計系コンサルティングファームBIG4の一角を担う会社であり、会計系ということもあって財務諸表から企業の経営状態を見極めてコンサルティングを行う仕事がメインとなっています。
世界150カ国以上の拠点に25万人のメンバーがいるのですが、日本では2017年に大きな組織再編があってようやく監査・税務・トランザクション・アドバイザーの業務を統合したコンサルティングを行うようになりました。
加えて2018年には戦略ファームであるEYパルテノンが日本に発足したので、監査・税務の他に戦略部門とも協力して一気通貫で仕事を進めることができる体制になりつつあります。
EY選考フロー
では具体的に、EYの選考フローを見ていきます。僕が受けた時は内定までに5つステップがあり、
①Webテスト・ES・小論文
②一次面接
③サマーインターン
④二次面接
⑤最終面接
それではひとつずつ見ていきます。
Webテスト・ES・小論文
正直Webテストはどれくらいの難易度だったのか覚えていません。覚えていない=出題方式も難易度も既視感があるということだと思います。ESで聞かれたのはこの3つ。
①コンサルティング業界・EYに興味を持った理由(400文字)
②過去の経験をもとにどんな貢献ができるか(400文字)
③アピールポイント(400文字)
どれも他のコンサル会社でも聞かれることなので、さほど難しくないです。最後の方に自分が出したES紹介するので、そちらも参考にしてみてください。
EYが珍しいなと思ったのは③の小論文です。小論文のテーマは、提示されたものから2つ選ぶ形式でした。自動運転や5Gといったテーマが多くて僕はその辺に明るくないので、
①チーム結成後に高いパフォーマンスを発揮するための要素とは(1000文字)
②働き方改革に影響を与える企業とその理由(1000文字)
を選択しました。分からない部分がもちろんあるので、その都度ネットで調べて書いていきました。
一次面接
順調にいけば①を提出してから2週間後には社員さんとの一次面接があります。時間は30~45分ほどで、基本的に提出したESや小論文を中心に様々な質問をされ、最後に逆質問といった流れです。
自分が思っていた以上に小論文について言及され、小論文提出がだいぶ前なので
と焦った記憶があります。それと、社員さんがとても気さくな人で、社風や仕事について忖度なしに話してくれてかなり良い印象でした。
サマーインターン
一次面接から約2週間後に、サマーインターン参加決定のメールが来ます。サマーインターンは日比谷のオフィスで5日間、様々な業界の課題解決をチームを組んで調査し、最終日に英語でプレゼンをするというものでした。
・製薬業界においてシェアを上げるための施策を立案せよ
・5G時代のテクノロジー業界の衰勢と新規事業を立案せよ
・ミレニアム世代に対する施策を立案せよ
こんな感じでテーマが並んでおり、最初に自分が取り組みたいテーマを選択して、それを元にチームが作られます。
参加者は22人で、4〜5人チームが5つできる感じです。ほとんど関東圏の学生で、学歴は低くてもGMARCH(ただし帰国子女)でした。
配られる資料も社員さんへのインタビューも基本的に英語なので、英語が苦手な僕にとってかなり厳しかったですし、初日自分だけ私服、その他21人がスーツというやってはいけないミスをしたので、内心終わった・・・という気分でした。
二次面接
サマーインターンから1週間ほど経つと、二次面接の案内が来ます。
二次面接は1対1で基本的にサマーインターンの取り組みについて質問されます。どんなチームで何に取り組んで、どんなアウトプットをしたのか。そのときにあなたのポジションは何だったのかなど細かく聞かれます。
あとは、コンサルタントに必要な3つの条件は何だと思う?といったよくある質問をされ、最後に逆質問の時間がありました。サマーインターンの質問は自分の経験を伝えるだけなので全く難しくなく、他の質問も比較的答えやすかった印象です。
途中から質問というよりディスカッションに近かったので、この感じだと通ったかなと思いました。
最終面接
二次面接から約3週間経って、二次面接の通知が来ました。今回の通知は電話で、これまでの自分に対する講評や最終面接の話、さらにはEYの志望度も確認されました。
最終面接は前半と後半の2回面接があり、前半はマネージャー級の方が2人でどんな意見も批判してくるタイプの面接、後半はサマーインターン中から何度か登場してた人事の方による意思確認の時間でした。
前半の面接はなかなか厳しく、今までの面接で「いい意見だね!」と言われていたものも全て批判されました。そういうときのカバーリングを見ていたのだと思います。前半の面接が45分もあったので、精神的にかなり疲れた記憶があります。
後半は完全に意思確認で、これから就活をどうするのかを話しました。僕は内定が出たら就活をやめる予定だったのでその旨を伝えましたが、まだ就活を続けると伝えても内定をもらった友達がいるので、ここでの意見は合否にさほど影響ないのかなと思います。
最終面接から2週間経って、ようやく内定決定の通知が来る、そんな流れです。
EY選考フロー突破の秘訣
ここまでの選考フローを通過するために大事だと感じたポイントを3つ紹介します。EYに限らず他の会社でも役に立つ内容なので、参考にしてみてください。
①論理構造を意識する
②チームワークを意識する
③自分のフィールドに持ち込む
それではひとつずつ見ていきます。
論理構造を意識する
主にESや小論文で必要なのですが、やはり内定を取るために論理構造を組み立てる力は必要です。というのも、コンサルという仕事自体たくさんの情報を整理して要点を伝える仕事だからです。
現役のコンサルの方からすると、論理構造のないESを読んだり話をするとかなりストレスです。情報の構造化は後天的に鍛えることは可能なので、物事を整理して伝える力を磨きましょう。
どうやって話せば要点が伝わって、コミュ力が高くなるのか解説しています。
【コミュ力高い人】の頭の中をめっちゃ詳しく解説【今日から使えるテクニックを紹介】
チームワークを意識する
僕が内定をもらえた一番の要因はこれだと分析しています。というのも、コンサルはチームを組んで仕事をするケースが多いので、チームワークを意識した行動ができるかどうかを重視しているからです。
現に、小論文のテーマや面接の質問で、チームワークに関するものが圧倒的に多かった印象があります。僕は人と飲みに行くのが好きなので、インターン中もチームメンバーや社員さん含めてよく飲みに行っていました。
英語力も極めて乏しかったので、チームビルディングを意識した行動を取れた部分が評価されたのかなと感じています。
自分のポジションを探す
倍率が100倍の中で内定をもらえたのは、この要素も大きいです。なぜなら、意識して周りと差別化をしないと社員さんの印象に残らないからです。
少し考えてみてください。
毎日何百枚もESを見て、何十人と面接をすると同じようなことを書いたり話したりする人が溢れるわけです。副会長で〜とか、アルバイトで〜とか、正直聞き飽きてるし話の展開も予想できるわけです。そうなるとOne of themのモブキャラになってしまいます。
なので、自分なりのポジションを見つける必要があります。
僕はサマーインターンで誰よりも英語ができなかったので、できない部分を他の人に協力してもらい、その人が苦手としているチームビルディングを担当しました。
そうやって苦手な部分を補い合ってワークを進めることができたので、周りとうまく差別化できました。社員さんも、あれだけ英語ができないのによく頑張ったと言ってくれたので、自分の短所をうまく利用できたと感じています。
初日に私服だったのも一周回って印象に残せたので良かったです笑
EY独自の強み
これまでの選考フローを経験し、他のコンサルティングファームを何社も受けた経験を元に、EYの社風や強みを書いていきます。
主観も混ざっているので、参考程度に読んでください。
①コンサルなのにホワイト
②真面目な社員さんが多い
それではひとつずつ見ていきます。
コンサルなのにホワイト
EYは外資系コンサルなのにかなりホワイトです。サマーインターンも残業一切禁止、使うのは社内PCで社内クラウドにファイルを保存するので外で作業できない徹底ぶりです。
社員さんも夕方6時にはほとんどが帰宅しており、オフィスは静まり返っていました。その分給与も他のファームと比べると少ない(新卒約500万円)ですが、QOLを考えるとかなりホワイトな企業だと言えます。
デロイトはプロジェクトにもよりますが、終電で帰れたら早い方なんて話もあるのでファームによって様々ですね。
真面目な社員さんが多い
EYは他のファーム(PwC・デロイト)と比べて穏やかな社員さんが多いです。日系企業と外資系企業の中間のような印象で、コンサルの割にお堅い人(特にシステム系)が多いのかなと感じました。
PwCのインターンは最終日に懇親会があって、寿司職人を呼んだり豪華な料理を出してキラキラ感が演出されていたのですが、EYは特になかったです。
ないからダメ!と言うわけでなく、この落ち着きっぷりに安心感を抱く人はかなり相性がいいと言えます。
選考フローで提出したES
ここでは自分が出したESを紹介します。少しでも参考になればと思います。ESの書き方は就活ノートにて学びました。
①コンサルティング業界、EYに興味を持った理由(400字)
多様な価値観に触れながら若手にもプロジェクトを回すコンサルティング業界の環境が、自分の夢に繋がるからです。私の人生の目標は「世界中の多様な価値観に触れ、笑顔の時間を1秒でも長くすること」です。
去年参加したベトナムでのビジネスインターンシップにおいて、お客様のニーズに合わせて2週間という期間で新商品開発をし、商品を購入していただいた時の、美味しいという声と笑顔を見たとき、この上なく幸せになった事が元になっています。
目標達成のためにも、国内外問わず多様な価値観に触れ、若手にもプロジェクトを担う機会を与え、お客様のニーズに直接関わり、笑顔を共有できる外資コンサルを志望します。中でも、業界他社と比べてファームが出来て間も無くベンチャー気質である点が、御社特有の点だと感じました。
社員数も年々増加傾向にあり、積極的に若手に提案を求める風通しの良い組織づくりを掲げている点に惹かれ興味を持ちました。
②過去の経験をもとにどのような貢献ができるか(400字)
去年の夏にベトナムでのビジネスインターンシップに参加しました。そこでは、新商品開発やインサイド・アウトサイドプロモーションを通して、2週間でお店の売り上げを伸ばすという課題にチームで取り組みました。
2週間という短期的な目標ではなく、自分たちが日本に帰った後でも持続可能な長期的なビジネスとなるように、現地大手企業に何度も足を運び、周りが無理だという中で、商品の卸売を見事契約し強固なコネクションを確立することができました。
その結果、店舗の売り上げは期間内に3.7倍に伸ばすことができ、一年経った今その店舗は地元の人気店となっています。
その経験を踏まえて、目先の短期的な目標の裏にある長期的な目標を常に意識し、周りが無理だと言っても顧客のニーズを一番に満たすプランを積極的に取り組み、解決することに貢献できると考えました。
③アピールポイント(400字)
特筆すべき点は2つあります。
1つ目はチームの共通項を見つけ、目標達成まで導く調和性です。ベトナムのビジネスインターンシップにおいて、自分たちのチームが権威のある人の意見に流されやすいという共通項にすぐ気がつきました。一度話し合いの場を設け、顧客の為にその考えは必要ないと認識を統一することで、チームとしての歯車が回り、結果として2週間で売り上げを3.7倍にすることができました。
2つ目は、ビジネス経験の豊富さです。ベトナムでのインターンにおけるB to Cビジネスや、非生産的ではあるが高時給のバイトを続ける現状に疑問を抱き、自分のスキルアップも兼ねて始めたC to Cのネットビジネス。
自分の強みを生かした受験の学習教材を販売することで、ビジネスを一から回し、月収20万円の安定収入も確立しています。
ベトナムのインターンというのは武者修行プログラムのことです。ビジネス経験ができるので、かなり就活でも役立ちますよ。
【怪しさ満載】武者修行プログラム=やばい奴らの集まりだった話【経験者が裏側暴露】
参考にしてと言っても、僕の経験と全く同じ!という方の方が少ないと思います。もっと違う内容のES例が見たい方は就活ノートで事例を直接見た方がいいかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?EYの選考フローは大きく5つあり、
①Webテスト・ES・小論文
②一次面接
③サマーインターン
④二次面接
⑤最終面接
コンサル業界の中でもかなりホワイトな企業なので、興味のある人は一度受けてみてはいかがでしょうか。
そして、自分のように地方学生で外資コンサルに内定をもらうために必要なことをリストアップしました。参考にしてみてください。