この記事はそんな疑問にお答えします。
世界には数多くの宗教が存在しますが、それらに違いはなぜあんなに分かりにくいのでしょうか?
教祖が誰で戒律が何でダブーとされる行為はこれこれで・・・。ネットで調べても網羅されている記事が少なかったので、今回まとめました。
この記事では、
①ユダヤ教
②キリスト教
③イスラム教
④ヒンズー教
⑤仏教
を中心に解説していきます。最後の方で日本古来の神道についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください!
世界の宗教の概要
まず、世界でどんな宗教が信仰されているのか、その割合から見ていきます。
グラフの通り、世界で一番信仰されているのがキリスト教で、その次がイスラム教です。
ちなみに今回紹介するユダヤ教は世界で1500万人しか信者がいませんが、世界的に影響力が大きい(理由は後述)ので取り上げました。
信仰されている地域はざっくりと以下の通り。
①ユダヤ教(イスラエル)
②キリスト教(ヨーロッパや南北アメリカ)
③イスラム教(中東やアフリカ北部)
④ヒンズー教(インド)
⑤仏教(東アジア)
アフリカの北部はかつてヨーロッパに侵略されたことから、多くがキリスト教徒となっています。
全体の概要を掴んだところで、各宗教の最低限知っておくべき知識を解説していきます。
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ユダヤ教
ユダヤ教を押さえる上で大事なキーワードは、
①迫害された過去
②お金持ちが多い&政治的権力を持つ
③パレスチナ問題
もともとモーセという預言者(神のお告げを聞く人)によって始まったユダヤ教。そこからキリスト教やイスラム教が派生して生まれたので、一神教の宗教の中では最もベースである宗教と言えます。
しかし、そんなユダヤ教は、長い歴史の中で幾度となく迫害を受けてきました。
イエス・キリストを処刑したとしてキリスト教から迫害を受けたことに始まり、政治的迫害であるロシアによるポグロム、ナチスによるホロコーストなど2000年にわたって肩身の狭い思いをしてきました。
そうやって世界に散り散りになったユダヤ教徒は、現地で差別されることも多かったので金融系の仕事に就く人が多く、結果的にお金持ちとなる人が増えました。
しかも、タルムードという聖典に生産性についての記述があったことからもわかるように、ユダヤ人はビジスセンスに長けており、世界の名だたる企業(グーグルやフェイスブック、スターバックスなど)を創業します。
ユダヤ教徒が創業したgoogle
そういった背景もあって特にアメリカでの政治的な権力を持つようになったのです。
また、パレスチナ問題もユダヤ教が絡んでいます。
ざっくりいうと、イスラエルという土地は2000年以上前に住んでいたユダヤ人のものなのか、それとも最近まで住んでいたアラブ人のものか、そういった争いです。
さらに詳しく知りたい人は、これらの記事を読んでみてください。
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キリスト教
キリスト教を押さえる上で大事なキーワードは、
①イエスの復活劇
②東方正教・カトリック・プロテスタントの違い
③隣人愛
かの有名なイエスさんが出てくるのがキリスト教です。
ざっくり歴史を話すと、聖母マリアと神の子供として生まれたイエスは、小さい頃から奇跡的な力を発揮(死者を蘇らせる)します。
聡明な教えを普及していくにつれて勢力が拡大するのですが、当時メジャーだったユダヤ教徒がイエスを処刑してしまいます。
しかし、イエスは神の子でとにかく半端ないのですぐに復活をして、その40日後に再び天国へと登っていったのです。
その超人離れしたストーリーが瞬く間にヨーロッパ中に広がったのですが、それに伴ってキリスト教も枝分かれしていきます。それこそが、東方正教・カトリック・プロテスタントの3つです。
カトリックの総本山 サン・ピエトロ大聖堂
それらの違いは、【これだけでOK!】カトリック・プロテスタント・東方正教の違いを【3分で解説】を読んでみてください。
キリスト教で最も大事なのは隣人愛。
神が人を愛しているように、敵対している相手でも愛しなさいという教えがあり、俗に愛の宗教とも呼ばれています。
さらなる詳細はこの記事を読んでみてください。
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イスラム教
聖地(写真中央の四角い黒い所)の様子
イスラム教を押さえる上で重要なキーワードは、
①信者数の伸びが圧倒的
②宗派同士の衝突が多い
③戒律が厳しい
主に中東で信仰されているイスラム教。イスラム教ができたのは7世紀頃と言われており、ユダヤ教(紀元前13世紀)やキリスト教(1世紀)と比べると比較的新しい宗教です。
預言者ムハンマドによって開かれ、唯一神をアッラーと名付けて崇拝します。これはユダヤ教のエホバ、ヤハウェやキリスト教のゴッドと同じ対象なので、イスラム教これら2つの宗教を啓典の民として尊重しています。
昨今のニュースでイスラム教=危険と思っている人が多いと思いますが、実は寛容な宗教なのです。
イスラム教徒特有の服装
そうはいっても宗派同士の衝突はあり、それがスンニ派とシーア派の間で起こっています。それらは後継者の選び方で喧嘩になって、派手な紛争を起こしています。
世界的にイランとサウジアラビアの仲が悪いとされていますが、あれは「シーア派の総本山イラン」と「スンニ派の総本山サウジアラビア」の宗教戦争なのです。
他にも、豚肉を食べるのが禁止されていたり断食をしたり、毎日5回メッカに向かって礼拝をしたりと戒律が比較的厳しいのも特徴です。
イスラム教徒が食べられるハラルフード
さらに詳しく知りたい人は、この記事を読んでみてください。
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ヒンズー教
聖地ガンジス川
ヒンズー教を押さえる上で重要なキーワードは、
①とにかく神様が多い
②カースト制度
③仏教の生みの親
現在ヒンズー教は、ほぼインドとネパールでのみ信仰されており、信者数は約10億人います。
ユダヤ教などと違って多神教なので、たくさんの神がいます。この世を作った神であるブラフマーや、この世を破壊して再生する神であるシヴァ、さらにその子供のガネーシャ(夢をかなえるゾウのキャラクターにもなってます)などが有名です。
アーリア人が先住民族ドラヴィダ人を支配する形で生まれたヒンズー教は、支配者を優遇するという考え方が根底にありました。
そういった背景があってカースト制度が生まれ、人間として生まれた瞬間に身分が決まってどれだけ努力しても変えることはできない環境となったのです。
カースト制度はかなり昔からあったとされますが、その制度を批判したのがお釈迦様であり、仏教という宗教を新たに作ったのです。
ヒンズー教に登場するお釈迦様
つまり、仏教はもとをたどればヒンズー教なのです。
他にも食事のタブーなどまとめたので、もっと知りたい人はこの記事を読んでみてください。
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仏教
仏教を押さえる上で大事なキーワードは、
①輪廻転成・解脱がゴール
②上座部仏教・大乗仏教
③ブッダ・如来・菩薩・明王
日本で信仰されている(あまり意識はしてませんが)仏教は、ヒンズー教から派生した形で紀元前5世紀頃生まれたと言われています。
もともと王子だったお釈迦様は何不自由ない生活をしていたのですが、ちょっと宮廷から出た時に見つけた一般人の苦しみに衝撃を受けて、全てを捨てて修行を始めます。
断食をしたり頑張って息を止めたりしたのですが、ただ痩せるだけで何も得られませんでした。そこから一気に作戦を変えて瞑想にふける毎日。
大きな木の下(菩提樹)49日間続けた時にようやく悟りを開きました。
悟りを開いた菩提樹
仏教では人が亡くなった時にまた生まれ変わる(輪廻転成)ことが普通で、煩悩を捨てることで解脱(苦しみのある人間世界を離れる)することを目標としています。
仏教が東アジアで普及するにつれて大きく2つの宗派が生まれ、
上座部仏教(スリランカやタイ):修行を積んだ人だけ解脱できる
大乗仏教(中国や日本):誰でも座禅を組んだり念仏を唱えれば悟りが開ける
また、多神教なので信仰対象は多く、
ブッダ(仏様)
漫画でも有名なブッダは、悟りを開いた人のことを意味しますが、ほとんどの場合仏教を開いたお釈迦様のことを意味します。
初めは神様的な立ち位置ではなかったのですが、時とともに崇拝するべき対象となったと言われています。
如来(悟った人)
如来は悟った人を意味します。有名なところでいうと阿弥陀如来(浄土宗・浄土真宗)や大日如来(真言密教)があげられます。
お釈迦様も悟ったので、釈迦如来と呼ばれることもあります。
菩薩(救済者)
悟った人は涅槃(輪廻転成から解脱した行き先)にいるのですが、菩薩は悟った後もこの世に残っている人を意味します。というのも、この世に残って様々な人を救済するためです。ちなみに田舎で見かけるお地蔵様も地蔵菩薩と言われている菩薩の一種です。
日本に伝来してからも様々な宗派(真言宗や浄土宗)が生まれたのですが、それはこの記事を参考にしてみてください。
より詳細な仏教についてはこちらの記事がおすすめ。
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神道
神道を押さえる重要なキーワードは、
①あらゆるものが神様
②身を清めることが大切
日本人は無意識に神道を信仰する傾向にあるので、正確な信者数は数えられませんが、全国で神社は約8万社あるとされています。
コンビニは全国で約6万店舗、自動販売機は全国で12万台あるので、それくらいの規模感で存在しているのです。
神道ではあらゆるものが神様なので、〇〇の神が非常に多いです。例えば、菅原道真(学問の神様)やサッカーの神様、トイレの神様など。
それに、汚れていることを嫌うので、神社でお参りをするときは必ず手を水で洗いますし、滝行も身を清める一環です。
日本人として、日本古来の宗教である神道は知っておいて損はしないので、サクッと理解しちゃいましょう!
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まとめ
いかがでしたか?
世の中がグローバルになるにつれて、価値観の裏に存在する宗教について理解を深めておく必要があります。
日本人はどうしても宗教に馴染みがなくて、外国人との会話が薄っぺらくなってしまうので、これを機に最低限の知識を身につけておきましょう。
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