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現役高校生に捧ぐ!授業中の「内職」は大学受験に効果的なのか?徹底解説

現役高校生に捧ぐ!授業中の「内職」は大学受験に効果的なのか?徹底解説

現役高校生の方は、授業中に「内職」をしている人も多いですよね。特に大学受験を控えた受験生ともなると、授業の内容が物足りなかったり他にやりたい勉強があったりして内職しがちです。

ですがもちろん、授業をしている先生はいい顔をしないでしょうし「内職なんて意味がない」「大学受験の妨げになる」という方も多くいます。

今回は、授業中の内職は大学受験に効果的なのか否か、徹底解説していきたいと思います。

授業中の内職とは?

「内職」という言葉の定義を一旦書いておきます。本来「内職」とは、本業とは別に仕事をすることを指します。副業と似た意味で使われていますね。

家内労働という言い方もでき、「家の中でやること」という意味合いが強いです。今は在宅ワークが広く取り入れられているので、家の中で行う仕事といっても営業や企画マーケティングなど様々なことが可能です。ですが一般的に、内職というと何百個もの商品にシールを貼ったり、手を動かす作業が想像されると思います。またはパソコンを使うにしてもエクセルへの入力作業といったような単純なタスク作業が代表的です。

ですが、今回この記事で取り上げる内職は「授業中の」内職という意味であり、学生が授業中に本来の授業と違う内容の勉強を独自に行うことを指します。英語の授業中に参考書や問題集を使って数学や理科をやるような感じですね。

自習時間ではなく別の授業中に行う行為であることや、先生が内職を推奨していないという意味合いも暗に込められています。

授業とは別の勉強、という意味なので、ゲームや漫画、スマホでSNSを見ることなどは内職に含まれません。

授業中の内職は効果的か?

この記事の結論から言うと、ほとんどの人にとっては「効果的ではない」と言えると思います。大学受験に対しても効果的ではないと思いますし、教育機関における人格形成的に考えても効果的ではないと思います。

ですが、効果的な人もいます。後述しますが、端的に言うと「授業のレベルが著しく低い」「授業レベルよりもはるかに高いレベルの大学合格を目指す」「授業を休めない」「推薦入試は狙っていない」という条件が揃った場合、内職は効果的と言えるでしょう。

授業中の内職のデメリット

なぜ、ほとんどの人にとって授業中の内職が効果的ではないのか。その理由は4つあります。

①集中できず結局非効率

②共通テスト・国公立入試は教科書が大事

③授業を最大限活かす力が必要

④先生を信頼した方がいい場合も多数

それぞれ解説していきます。

①集中できず結局非効率

これはあらゆる人に当てはまるデメリットだと思います。内職は一般的に「してはいけないもの」とされているので、コソコソと行うことになり集中できません。

「先生にバレるのではないか」という精神的なストレスは集中の妨げになります。また、「バレないように隠れなければ」と別の参考書を盗み見たり、授業の板書を写すふりをしながら別の参考書で問題を解いたりと、実際にコソコソすること自体が大変です。

内職をしていても結局集中できず身が入っていないなら、危険を冒しただけで意味がないですよね。授業を聞いていた方がまだましだったということになりかねません。

一番怖いのは、その集中できていない状況で暗記科目などを進めてしまい、次から自宅学習をするときに内職でやった分を飛ばしてしまうことです。頭に入っておらず勉強した意味がほとんどなかったにも関わらず「やったこと」になってしまうのが一番怖い。

でもこの恐れていた事態は最も起こりやすいです。なぜなら内職しながらできることというのは限られるので、「ガッツリ問題集を開いて数学の大問を1時間かけてじっくり解く」というような勉強は内職向きではありません。大体の内職する人は「ちらっと見るだけで進められる英単語をやろう」とか「世界史の年表暗記の時間にしよう」と思いがちだからです。

これらはもしその場で「覚えた!」と思っても、集中できない環境でやった場合、記憶の持続力がめちゃめちゃ短くなってしまうんですね。受験本番で覚えてなければ意味がありませんから、非常にリスキーな勉強方法であると言えます。

 

②共通テスト・国公立入試は教科書が大事

次に、大学受験で共通テストや国公立二次を受けようと思っている人にとっては教科書がとても大切なんです。「教科書なんて情報量が少なすぎるよ」と思うかもしれませんが、実際に問題作成の際は教科書に載っている範囲のことしか出題してはいけないと決まっています。東大ですらそうです。

もちろん東大や京大、一橋、東工大、旧帝などなどレベルの高い大学の入試問題ともなると、教科書をただ読んだだけでは解けないものも多いですよね。でもそれは「教科書をじっくり読み込んで自分のものにし、考察した先に解ける問題」なんです。(いやこの難易度は教科書じゃ無理があるだろ!というものも中にはありますが、概ね教科書からの派生・応用です)

ですから、どんなに英語の授業がつまらなくても教科書は嘘をつきません。東大を目指す人だってこの教科書をじっくりじっくり理解する時間をわざわざ取って勉強しているんです。授業中というその絶好の機会を逃して、わざわざ別の問題集を広げて、コソコソ他の勉強をするのは非効率と言えるでしょう。

③授業を最大限活かす力が必要

②の考え方の先にあるものなんですが、教科書に留まらず、授業を最大限に活かす力が必要です。どうせ受験までずっといろんな授業を受け続けなければならないのですから、最大限効率的にした方がいいですよね。それを内職という手法ではなく、授業を活かす方向で考えてみましょう。

例えば、自分がその授業を受け持って生徒に教えるとしたらどう板書するか?試験を出すとしたらどんな問題を作る?授業後に先生に質問に行くとしたら何を聞く?などなど考えてみましょう。

もしくは単純に、その授業の範囲の教科書を全部暗記するつもりで読み込んでみる。とにかくそれに時間を費やす。まあつまり熱心に授業を聞こうよということです。

 

逆に、家庭科や体育など直接受験に関係しない科目だとしたら?それは、個人的な考えでは全力で受験勉強を休みましょう。人間には休みも必要だからです。そして大学受験が人生のゴールではなく、家庭科や音楽などの知識も必要です。人生のために大学受験に挑むように、人生のために受験に関係ない授業も受けましょう。

また、これは僕個人の考えですが、家庭科や音楽などの一見受験に関係ない科目でもまわりまわって間接的に受験で必要なことだったりします。例えば英語や国語といった長文読解のある科目では、体育や料理の話が出てきたりもしますよね。一般教養として知ってなければならないことって実はたくさんあって、高校の授業の中に散りばめられていたりします。

受験勉強の息抜きだと思って授業を受けつつ、「いつかはためになるからなあ」と前向きな気持ちで取り組んで欲しいですね。

④先生を信頼した方がいい場合も多数

そして最後に、これは本当に時と場合によると思いますが…自分が考え出した独自の勉強よりも、先生が行う授業を信頼してみませんか?

もちろん信頼できる先生ばかりではないと重々承知です。30人生徒がいて30人にバッチリ合った授業内容にするなんてどんな先生でも難しいですから、理解が進んでいる生徒からしたらつまらない授業があるのも当然でしょう。

それでも、教師は「授業を行う」ということに対してプロフェッショナルであり、そのために訓練をしてきた大人であり、30人生徒がいれば30人が満足できるような授業をすることが求められているからです。

事実、有名進学校の教師陣であれば「つまらない」と言われるような授業は普通しません。それをつまらない・意味がないと考えるのであればその生徒がうぬぼれているのです。もしくは目先の利益、テストや模試の点数を上げたいという欲望にとらわれて、本来の「志望大学に合格する」というゴールから遠ざかってしまっています。

「内職をしたいな」と思った場合、最終的に「本当に自分の内職内容よりも先生の授業は意味がないだろうか?」と自問自答してみてください。

例えば数学で、ものすごく基礎の内容をやっていて、「こんなの知っているよ」と内職をしはじめたとします。でも次の授業で応用になった途端にわけがわからなくなり、「基礎が身についていると過信していたけどわかっていなかった」「前回の授業を聞いていなかったから理解できない」となることも多くあるんです。本当に多いです。

教師は、年間のカリキュラムを頭にいれて1つ1つの授業を組み立てています。一見意味のない授業でも、省いてはならないから行っているんです。そして教師は受験生を何度も送り出しており、経験値もあります。信頼してみてもいいのではないかと、今一度考えてみてください。

内職した方が効果的な場合

ここまで内職のデメリットについてお話してきました。次は、内職した方が効果的な場合についてお話します。

それは、「授業のレベルが著しく低く、授業よりも高いレベルの大学合格を目指している場合」です。

これは偏差値の低い高校から偏差値の高い大学を目指す場合に起こることですね。偏差値の高い高校であれば授業のレベルが著しく低いということはなかなかないですから。

偏差値が低い高校で、周りの生徒は共通テストを受けないし国公立二次も受けないからとてもじゃないけど受験する空気じゃない。でも自分はハイレベルな大学を目指していて、授業を聞いているだけでは時間の無駄だということがわかりきっている。

こんな場合は、内職をした方が効果的でしょう。

でも、内職をする前に「授業を休む」「先生に許可を取る」の2つを考えてみてください。

授業を休むのがベスト

もし先述したように、受験期であるにも関わらず授業の質が著しく低く、周りもそのレベルだった場合。これは学校を休む・授業を休むなどの対策をすべきです。

ドラゴン桜がいい例ですが、あれも偏差値の低い高校から東大を目指すというもので、特別授業を受けていますよね。本来そのような環境下であれば特別授業を受けるべきなんです。コソコソ内職をして限られた勉強しかできないなんて非効率的すぎます。

すっぱり授業を休みましょう。もしくは学校自体休みましょう。卒業できる範囲で通えるよう親と先生に相談すべきです。目的が受験のためですから、真剣に相談すればわかってくれるはずです。

日本で有名な数学者で、森毅さんという方がいます。中学生で既に頭が良かったそうですが、学校に行かなくなったそうです。その森毅さんのお父さんは、「学校を休んでもいい。でも学校に行くよりも充実した一日を送りなさい」「落第しないように自分でコントロールして休みなさい」と言ったそうです。

何をもって充実したと言えるかはその人の考え方次第ですが、受験勉強もその一つですよね。森毅さんは学校を休んだ日は遅くまで勉強して充実させていたそうです。そして落第しないように適度に出席日数を稼ぐことも、自分のキャリアを考えたときにそうすべきと思ってコントロールしたとか。

本当に実のある勉強をしたいと思うのであれば、このように学校は休んで充実した学びを自分で作るのがベストです。

先生に内職の許可を取る

次に、もし親の同意が得られず学校や授業を休むことができなかった場合。これはもう内職するしかありません。でも内職するのであれば、ストレスや集中できない環境を少しでも改善するためにコソコソするのはやめましょう。

先生に相談し、「受験のために周りよりもレベルを上げたい」「授業とは違う学習をして目指す大学に行きたい」という内容を伝えます。そして、授業に出席していても別のことをしているという許可を取りましょう。

30人教室にいて、29人がやりたい授業と自分1人が受けたい授業が違った場合、29人の方を先生が取るのは当然です。でも1人が合わせる必要もないんですよね。なので先生もわかってくれるはずです。

内職をするなら集中できる環境で

いかがでしたでしょうか。まとめると、内職にはデメリットがたくさんあり、集中できる環境でないため非効率的と言えます。

ですが、授業のレベルが低くもっと上を目指したい場合には内職せざるを得ないでしょう。そういった時には先生に相談し、コソコソ隠れたり怒られながらではなく許可を取るようにしましょう。その方が思いっきり勉強でき、集中して学ぶことができますよ。