この記事はそんな疑問にお答えします。
日本の借金の総額は1100兆円と言われており、ネットでは日本が破綻するとの声も上がっています。
詳しく調べようとして「日本 借金 破綻」とネットで調べてみても難しい単語が多くて理解しにくかったので、中高生でも理解できるように
・なぜこんなに借金があるのか
・借金地獄でも日本が破綻しない理由
・小難しいお金の話
をまとめました。この記事をちゃんと読めばお金の流れにまつわる知識は完全に理解できます。3分で読めるようにしたので、参考にしてみてください!
国の借金は1100兆円、は真っ赤なウソ?
2019年11月に財務省が、日本の借金は1105兆円で国民一人当たり約876万円になるというデータを発表しました。この数字を見て、
と考える人が多いのですが、これは完全に誤解です。いきなり大事な話なのでちゃんと読んでください。
そもそもお金を借りているのは日本政府であり、私たち国民ではありません。もっと言うと、政府にお金を貸しているのは私たち国民です。つまり、私たちはお金を返してもらう側なんです。
簡単に説明すると、私たちが銀行に預けたお金を使って銀行が政府にお金を貸している(国債を買う)のです。
つまり、国民と政府の間に銀行が入って、間接的に私たちのお金でやりとりしているわけですね。なので、子供・孫の世代にわたって一人876万円支払う義務がある、これは全くの誤解と言えます。
それに、そもそも借金が1100兆円という記載も間違いです。理由はこの2つ。
①政府資産が十分多いから
②政府の子会社を勘定していないから
それではひとつずつ見ていきます。
政府資産が十分多いから
政府はお金に換えることができる資産を保有しています。1100兆円借金していると聞くと大ごとに聞こえますが、頑張ればその借金を減らせる資産を十分持っているわけです。
例えて言うなら、貧乏で生活できないと嘆く家庭にTVやらエアコンやら冷蔵庫やら宝石やらがある状態です。はたから見たら貧乏で困ってそうですが、家にあるものを売れば生活できるじゃないですか。そんなイメージです。
2013年の例で考えると、政府の負債は1143兆円で資産は653兆円あったそうです。つまり、実際の借金は1143-653=490兆円になるわけです。
簡潔に言うと、その資金は政府関係者の天下り先への貸付に使われるからです。
天下りとは:官僚が退職後、関係する民間企業などの幹部職員として再就職すること
持っているお金を貸す代わりに、財務省の職員が退職したら雇ってくれとお願いしているわけですね。なので、政府は資産を持っていても借金返済に利用しないわけです。
政府の子会社を勘定していないから
政府にはいくつか子会社があり、それらも含めて借金がいくらなのか計算する必要があります。
例えば家族で考えてみても、父親の収入だけでなく母親の収入、子供にかかる養育費などトータルして計算して黒字なのか赤字なのか計算するはずです。今の政府の状態だと、父親の収支だけで議論しているようなものなのです。
政府の子会社としてお金を発行している日銀があげられます。日銀の負債・資産を考慮して考えると実際の借金は2013年度において253兆円になります。1100兆円と比べるとかなり減りましたよね。
なので、国の借金が1100兆円もあるから消費税を増やすべきだという説明も間違っているわけです。
なぜ借金地獄なのに日本は潰れないのか
では次に、いくら借金をしていても日本が破綻しない理由を3つ説明します。
①世界最大の債権国だから
②国債の買い手がすぐに見つかるから
③日本の国債が円建てだから
難しい言葉が並んでいるように見えますが、かなり分かりやすく解説していきます!
世界最大の債権国だから
そもそも国が破綻するのはどういう時なのでしょうか?
簡単に解説すると、
①日本円の安定性・信頼が下がる
②国債を持っていた人たちが「日本は不安定だから貸した金を返せ!」と言ってくる
③返すお金がないので、お金を集めるために国債を発行するが買い手が見つからない
④お金をたくさん刷って返金する
⑤インフレになりますます日本円の価値が下がる→①へ戻る
こういった負の連鎖で国は崩壊へと進んでいきます。そもそも日本は世界最大の債権国となっています。
債権国:他国から受け取る金額が、支払う金額よりも多い国のこと
日本の政府や企業が海外に持つ資産は2018年末において、1018兆円と言われており、そこから諸経費などを引いて毎年手元に341兆円残ります。これは世界で最も多い額となっており、極めて高い安定性を誇ります。
また、日本の家計の貯蓄は2019年9月末で1864兆円あると試算されています。国内にそれだけの資産が眠っているという点からも日本の安定性が伺えるので、外国から見れば日本円の信用が高く、国債を売って金返せ!と言ってくる可能性は極めて低いのです。
国債の買い手がすぐに見つかるから
現状日本の国債は買い手がすぐに見つかります。なぜなら、日本円は低金利で個人や銀行の運用リスクが小さいからです。
一時期ギリシャが財政破綻をして問題になりましたが、当時のギリシャの金利は日本の約15倍です。
そう思うかもしれませんが、金利が高い=金利を高くしないと誰も買ってくれない不安定な通貨を意味します。
逆に日本円は金利が1%ほどと安定した通貨なので買い手が多く、日本円を発行する日銀も毎年80兆円ほど国債を買っているので、買い手が見つからないという問題は起こりにくいのです。
日本の国債が円建てだから
もしも、日本円の信頼がなくなって返金を求められ、お金を集めるために国債を発行しても買い手がいなかった場合。日本は自国通貨を持つので、最悪大量にお金を発行すれば問題は解決します(もちろんインフレは加速しますが)。
経済破綻したギリシャは自国通貨を持たないので、EUからお金を借りる必要がありました。ただ、ギリシャにお金を貸しても返ってこない可能性が高いので、どの国も貸したがらずに、借金返済が間に合わずに国が崩壊したのです。
その点日本は、お金を勝手に発行すればひとまず問題は解決できるので国が崩壊しないわけです。ただ、何度も言いますがお金を大量に発行すると、お金の価値が下がってしまいます。
ここまで説明した、日本が借金をしても破綻しない理由をまとめると、
①日本円の安定性・信頼が下がる→そもそも日本円の安定性は高い
②国債を持っていた人たちが「日本は不安定だから貸した金を返せ!」と言ってくる→安定しているから返せと言ってこない
③返すお金がないので、お金を集めるために国債を発行するが買い手が見つからない→日本の国債は買い手が見つかりやすい
④お金をたくさん刷って返金する→ギリシャと違ってこの施策が可能
⑤インフレになりますます日本円の価値が下がる→①へ戻る
こうした理由から、国が崩壊するのは非現実的と考えられるわけです。
まとめ
いかがでしたか?
そもそも1100兆円借金があるという話は誤解で、政府の資産や日銀などの子会社のことを勘定すべきです。また、借金があってもなぜ国が破綻しない理由としては、
①世界最大の債権国だから
②国債の買い手がすぐに見つかるから
③日本の国債が円建てだから
こうした知識をしっかりと蓄えて、借金が多いから増税しないと!という文言を鵜呑みにしない大人になって欲しいと思います。
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