大学生の教養

大学生のための投資入門①株・債券・投資信託って何?違いは?

大学生のための投資入門①株・債券・投資信託って何?違いは?

大学生の方でも、投資について興味のある方は多いのではないでしょうか。資産運用という単語も目にする機会があるはずです。ですが現状、「興味はあるけどやったことがない」という大学生が大多数を占めています。

実は日本の教育では金融リテラシーを上げる取り組みはこれまでされてきませんでした。しかしそれが見直され、2022年からは高校で金融教育が行われることになりました。

そのため、今現在大学生である皆さんは最後の「金融リテラシーのない世代」となってしまうわけです。

将来の資産形成についてだけでなく、金融にまつわるトラブルを避ける防御策としても金融リテラシーは役立ちます。生き抜くうえの盾と矛であるわけです。

この記事では、大学生が最低限知っておくべき投資についてお話します。未来の後輩たちに金融リテラシーで負けないよう、しっかり学んでいってください。

投資って何?

投資と聞くと「なんだか怖い」「騙されそう」「胡散臭い」などといったマイナスのイメージが浮かぶかもしれません。

ですが「投資」いう単語について考えてみましょう。「人材に投資する」といった使い方のように、投資とは本来「その将来を見込んで、事業や人材に金銭や力を投入すること」を指します。

金融においても同じこと。例えば株式投資の場合、世の中にあるたくさんの株式会社から選んで「あなたは将来性があるのでお金を出して応援しますよ!」と出資する仕組みが投資です。

投資をすることで、人に役立つサービスとは何か?今後需要が伸びていくジャンルは?など、社会全体に目を向けることにつながります。

最低限知っておくべき投資の種類

投資の種類は大きく分けて3つあります。

株式

株式が最もイメージしやすい投資です。そして大学生が持つ投資へのイメージ通り、ハイリスクハイリターンのものもあり損をしてしまう可能性があります。

株式会社が資金を集めるために発行している株式を、将来を見込んで買うわけです。そうするとその株式会社は、お金を出してくれた人に対して利益が出ると配当を出してくれるわけです。

その会社が儲かれば配当は増えますし、そのほか特典や優待がつくなどお得な内容がたくさんあります。

そうすると他の人も「その株式会社の株を買いたいなあ」と思うわけですね。そういった人のために株を売りに出すと、自分が買った時よりも高く買い取ってもらえ、差額が儲かるという一面もあります。

株で得をするには、持っている状態と売った状態との2パターンがあるわけです。

しかしいいことばかりではありません。前述したように、リスクもある投資です。その株式会社の売り上げが落ちれば配当は受け取れず、売りに出しても誰も買ってくれないという状況が生まれます。

貯蓄のような感覚で株をたくさん持っていて、「売ればこのくらいのお金になるし」と考えていた場合、その会社が倒産してゼロの価値になってしまった。。なんてことになったら大変です。

このように、どの程度のリスクがあるものなのか、損をしても生活に無理のない範囲に抑えられるのか、などを考えながら投資することが大切です。

債券

債券とは、国や地方自治体や会社がたくさんの人からお金を借りるために発行している券のことです。国が出している債券は国債や公債と呼ばれます。

これは簡単に言うと借金です。もし大学生である皆さんが借金をするとなり、どこかでお金を借りたとしますよね。そうすると返済計画をたててローンを組むはずです。「毎月このくらい返しますよ」という約束をしなければならないわけです。

そして往々にして、何パーセントかを利息として支払わなければなりませんよね。「貸してくれてありがとう」ということで、利息と元本の一部を返済していくわけです。

これが債券になるとどうなるでしょうか。借金と同じで、持っていると定期的に決められたお金が支払われます。一定期間支払われ、期間が終わると元の金額をまとめて返済してくれます。ここが魅力のひとつですね。また、途中で売却することもできます。

株ほど大きな得をすることはありませんが、国や地方自治体が潰れるということはまあ確率が低いのでリスクも少ないです。

とはいってもリスクがゼロではありません。元本分のお金がやっぱりほしいなとなり途中で売却した際、自分が買ったときよりも価値が下がっている可能性はもちろんあります。

また、国が潰れる・地方自治体が潰れる・大きな会社が潰れる、ということもなくはありません。

外国の債券を買う場合などはこれらのリスクに特に注意し、発行元の所在する国や地域の政治や経済環境をよくチェックする必要があります。

投資信託

最後に投資信託です。投資信託が一番聞きなれない言葉かもしれません。「投資」を「信じて託す」という意味です。

つまり、投資信託は、「この企業に投資するぞー!」という人を募って、まとめて大きな資金とし、投資の専門家がまとめて運用するという仕組みです。投資の専門家に、自分のお金を信じて託すわけですね。

この専門家たちは、まとめて運用する仕組みをパッケージ化し商品にしてくれています。

プロがいい感じに運用して儲けてくれて、成果は買った分に応じて還元してくれます。

デメリットは、プロに頼んでいる分手数料がかかるということ。そしてもちろんプロといえど買った商品が悪く利益が下がっていくこともあります。

債券と違う点は、元本が返ってくる保証はないという部分ですね。資産が減る可能性がある。

しかしその分債券よりもリターンは大きいでしょう。一般的に、持ち続けていれば110%~120%まではプロが育ててくれるはずです。

「投資をして利益は欲しいけど株は怖い」という層には、この投資信託が向いています。大学生であればなおさら、何百万という大きなリターンはなくとも少しは利益を上げたいという人は多いですよね。

アルバイトで得たお金を貯蓄をして銀行に預けっぱなしにするより、投資信託で少しずつ増やしていくというやり方です。そこそこのリスクでリターンを取れると考えられています。

投資の効果的なやり方

投資の種類についてご説明しましたが、「じゃあ投資信託を買おう!」「僕は性格的に株でいこう!」と考えるのは、待ってください。

投資は効果的なやり方というものがあります。それは分散投資と積立投資です。それぞれのやり方と効果を知って、投資の計画をたてていくことが大切です。

分散投資

分散投資は、その名の通り分散すること。投資の種類である株・債券・投資信託をうまく使って資金を分散していこうというやり方です。

1つに絞って貯められる資金を全部投資してしまった場合に、どんな商品でもリスクはゼロではないですから、もし失敗した時すべてを失ってしまいます。

ですが、株・債券・投資信託と3種類に分散して投資すれば、1つが潰れても残りの2つがまだ残っています。

リスクを分散させ、得るリターンを安定させるという効果があるのがこの分散投資です。

分散投資はあらゆる投資の考え方に反映されます。例えば株を買うときも、1つの会社から買うのではなく「すごくイケイケで伸びている会社は儲かりそうだから買おう」「安定していて配当がよく、特典も豪華だからずっと持っておこう」「今伸びているわけではないけどこの会社が好きだ!応援したい!」などと目的を分けて買うことで、リスクを分散させます。

積立投資

もう1つ、投資のやり方には積立投資があります。分散投資と似た考え方ですが、こちらもリスクを分散させるために行うことですね。

リスクを分散させるために、一気に投資せずコツコツ積み立てて投資していく考え方です。

具体的には、時間を分散させること。投資する時期を分けるんですね。一気に買わずに毎月少しずつ買うやり方です。

「今が買い時!」「今が売り時!」というハイリターンな投資はできないですが、安定して買い続けることで大きなリスクも減らすことができます。

そして長期的に保有することも積立投資のひとつです。一度買った株をずっと保有していて、配当や特典を得ることですね。これもハイリターンはないですが、大きなリスクがないです。

大学生が投資を始めるには?

2022年の今現在は、大学生の年齢であれば投資を始められます。

これまでは成人年齢が20歳だったため18歳・19歳の大学生は親の管理のもと未成年口座を開くというやり方だったのですが、成人年齢が引き下げられ18歳から口座開設ができるようになりました。

投資はお金のやりとりですから、証券会社などで口座を開設する必要があります。

株や債券、投資信託を売っている会社に自分の口座を用意して、そこにお金を入れておき、入れたお金で株などを買うわけですね。

ここで注意していただきたいのは、投資する前に投資のプランを立てましょう。自分が投資に使える資金を計算し、どの種類の投資をどんな資金の割合で行うか決め、各投資について実際にどの事業の何を買うのか決めていきます。

そのほか、各種手数料の比較や、利益が出た場合の税金のこと、株の取引きにおけるルールや禁止事項についても学んでいく必要があります。