受験の天王山と呼ばれる夏休みが終わり、秋。いよいよ受験が現実味を帯びてくる時期です。
しかし、その一方で夏の遅れが足を引っ張って成績が伸び悩み、不安な気持ちの人も多いと思います。
そこで今回は、夏の遅れを取り戻し、逆転合格を勝ち取るための秋のスケジュールと、秋の模試の攻略法を解説していきます。
・夏に出遅れた人
・秋のこの時期から逆転合格を目指したい人
・秋の時期の模試の攻略法を知りたい人
夏の遅れは取り戻せるのか
結論から言うと、夏の遅れは取り戻せます。というのも、まだ入試が終わるまで半年弱あり、それだけあれば夏休みの1ヶ月を取り戻すことが容易だからです。
そもそも、夏を制すものが受験を制すと言われるようになって、受験生の夏に対する意識が過剰に上がったことがよくありません。
どういうことかというと、夏が大事=夏という時期は自分の成績が急激に伸びる、と勘違いをする生徒が増えたわけです。
よくあるのは、夏休みにどの科目も偏差値10あげよう!と意気込んで、結果5しか上がらなくて焦るパターンです。
そうやって自分への期待度、ハードルを無闇に上げることで、夏が終わった時にその理想と現実のギャップに苦しむわけですね。
つまり、大半の人が夏に出遅れたという認識を持ちますが、実際はそのわずかな伸びが妥当なケースが多いわけです。何度も言いますが、夏で合否は決まりません。
むしろ、9月から11月にかけての秋の時期の方がよっぽど合否を左右します。
次に、秋の詳細なスケジュールを紹介するので、参考にして成績をぐんと伸ばしてください。
秋からの逆転計画
具体的な秋(9月〜11月)のスケジュールを紹介します。ここでは主に現役生向けに計画を書いていきますが、浪人生も一部参考にしてみてください。
9月のスケジュール
まず9月にやるべきは志望校の分析です。というのも、何かを始めるときはまず目標までの計画を立てる必要があるからです。
具体的には、
①志望校合格に必要な点数を調べる
②志望校の出題レベルを確認
③科目別に自分の学力到達度を分析
④それを踏まえて学習計画を決定
そして、学習計画を決める際は、問題演習中心に切り替えていきましょう。というのも、受験勉強前半戦ではインプット中心でしたが、入試で必要になるのは演習を解ききるアウトプット力だからです。
アウトプットするまで基礎が身についていない場合は、早めにリカバリーをする必要があります。また、夏休みに生活リズムが崩れた場合は、受験に向けて生活習慣の改善にも取り組んでいきましょう。
もちろん個人差はありますが、夜型の人は朝方に徐々にシフトすべきだと思います。詳しくはこちらの記事で解説しているので、参考にしてみてください。
【徹底比較】勉強するなら朝or夜?圧倒的にオススメなのはこっち!
10月のスケジュール
志望校の分析を終えて基礎の土台もできたら、10月からは出題分野別の対策をスタートしましょう。自分がどの分野を苦手としてして、どんな対策をする必要があるのかを考えていきましょう。
その時に必要なのが基礎力です。というのも、基礎力がないと自分がどこで悩んでいるのか見当がつかないからです。何が分からないのか分からない、という人がいますがまさにあの状態です。
なので、9月までに時間をかけて基礎を見直して、10月からは出題傾向に沿った分野により重点を置いて学習していきましょう。
そして、この時期から模試が本格的にスタートします。模試に関しては後述しますが、一回一回の模試に照準を合わせたスケジュールを組むことが大切になってきます。
11月のスケジュール
9月に基礎を固めて10月に出題傾向に沿った分野の学習を進めたら、11月にやるべきことは大学入学共通テストへの移行です。
11月前半までは演習と苦手分野克服に時間をあてて、後半からは徐々に大学入学共通テスト対策へと重点をシフトしていきましょう。
というのも、大学入学共通テストは特有の問題形式があり、特に現役生はそれに慣れるまでに時間がかかるからです。
もちろん、二次試験も合否を分ける大きなポイントなので、100%大学入学共通テスト対策に時間にあてるのは賢明ではありません。目安としては、大学入学共通テスト対策50%、二次試験対策50%くらいがいいでしょう。
12月にかけて大学入学共通テストの時間を増やしていき、12月の最後の週からは全て大学入学共通テスト型の対策に時間をかけることをオススメします。
秋の模試をどう攻略するか
10月・11月から本格的に始まる模試ですが、それらをいかに戦略を立てて取り組むかで合格率が大きく変わってきます。そこで、秋の模試の攻略法を3つのステップで解説していきます。
①同じ問題の繰り返しからスタート
②模試に照準を合わせたスケジュールを
③模試を解いて終わりにしない
それではひとつずつ解説していきます。
同じ問題の繰り返しからスタート
模試をひとつの目標として勉強を進める人によくある傾向として、複数の問題集を使ってバラエティに富んだ問題を解くことがあげられます。
もちろんそれも大切ですが、やはり似たような問題を繰り返し解くことが優先です。というのも、その方が解法が身につきやすく苦手を見つけやすいからです。
模試を受ける前に自分が得意・苦手な分野を把握しておくことで、模試の振り返りの質も高まりますよ。
なので、特に10月の模試に関しては、同じ問題を繰り返し解いて、自分の学力を客観的に見た上で模試を受けましょう。
模試に照準を合わせたスケジュールを
意外と大事なのがこのステップです。
必ず模試の日程を確認して、そこから逆算をしてスケジュールを組んでいきましょう。
というのも、短期的な目標が定まって終わりが見えると、モチベーションの向上につながるからです。
逆算することで今日どれくらいの勉強をやるべきなのかを視覚化できる点も合わせて有効です。
模試=模擬試験です。あくまで模擬ですが、試験日までの調整の仕方は入試となんら変わりません。今のうちからその調整力を鍛えておいて、入試本番でいつも通り力を発揮できるようにしておきましょう。
模試を解いて終わりにしない
一番大切なのがこのステップです。
模試を解いて丸付けをして満足せず、きちんと復習をしてください。というのも、第一志望合格までの理想と現実のギャップをもっとも効率良く埋めることができるからです。
模試までのスケジュールを組んで、戦略的に勉強をして受けた模試。前もって自分の得意・苦手分野を理解した上で取り組んで、その結果どうだったのか。
得意分野はきちんと得点を取れていたのか。苦手分野はやはり取れなかったのか。自分の自分に対する評価は妥当だったのか。
それらを振り返る貴重な機会なので、模試の復習は絶対に行ってください。もしろ、復習をしない模試は受ける必要がないと言っても過言ではありませんよ。
秋の受験勉強スケジュールまとめ
いかがでしたか?秋にやるべきことをまとめると、
9月:志望校の分析
10月:出題傾向に沿った演習
11月:苦手克服と大学入学共通テスト演習移行
そして、秋の時期に行われる模試を攻略するための3つのポイントが、
①同じ問題の繰り返しからスタート
②模試に照準を合わせたスケジュールを
③模試を解いて終わりにしない
模試をひとつの目安にして、計画的に勉強を進めていきましょう!
そして、受験勉強の敵はモチベーション管理です。やる気が出ないときはこの方法を試してみてください。