大学生の教養

大学生は美術館で教養を身に着けよう!将来の仕事に活きる美術鑑賞

大学生は美術館で教養を身に着けよう!将来の仕事に活きる美術鑑賞

大学生の皆さん、美術館には足を運んでいますか?

「絵なんて見ても楽しくないよ」「わからないから見ても意味ないし」と思っている方も多いと思います。ですが、美術鑑賞とは、楽しむ目的だけでなく教養を身に着けるためにとっても有益なんですよ。

世界のエリートビジネスマンは教養のために美術館に足を運びます。教養を身に着けるため、深めるため、引き出しを増やすため。ひいてはビジネスに成功して儲かるためという、非常に功利的な理由で美術鑑賞を行っています。

今回は、大学生が美術館に行くべき理由と、美術館に行って教養の引き出しを増やす方法をお伝えしていきます。

大学生が美術館に行くべき理由

大学生こそ美術館に行くべき!という理由は2つあります。社会人にはないメリットがあるので、ぜひ大学生のうちにできる限りたくさん美術館に行きましょう!

①学割が使える

②平日に行ける

学割が使える

美術館は意外にお金がかかるので、趣味にするにはちょっと敷居が高いよと思う大学生の方も多いのではないでしょうか。有名な企画展に行ってみようと思うと、1500円前後かかります。映画1本観れちゃう金額ですよね。

でも、美術館は学割が使えます!大学生がじゃんじゃん美術館に行って教養を深められるよう、学割が設定されているんですね。その割に割引額はそこまでじゃないんですが、でも社会人からするととっても羨ましいです。

企画展じゃなく常設展なら数百円で鑑賞できますから、より安く美術館に行ってみたい人は常設展から攻めてもいいと思います。

平日に行ける

そして、混んでない平日に行けること!これも大きなメリットです。大学生は時間がある程度自由に使えますよね。高校生よりも授業に空きが出ますし、学年によっては平日1日フリーに使える人もいるのではないでしょうか。

バイトや勉強で忙しいとは思いますが、平日に美術館に行ってみてください。混雑しておらずゆったりと美術鑑賞ができ、教養のためでなくリフレッシュする時間をもつことができますよ。

ゴッホ展やフェルメール展など、有名な企画展となると休日は激混み…今は事前予約制がほとんどですが、そうなる前は3時間待ちなどがザラにありました。待って中に入っても絵が見えるまで並び、絵の前にきてもすぐに移動しなければならず…などなど、満足に鑑賞するのは難しかったりもします。

平日を使える大学生の特権をフルに活用しましょう!

 

美術鑑賞で美的センスを磨く

仕事に活きる勉強といったら、英語やプログラミング、簿記などの資格取得が頭に浮かびますよね。「えー、美術鑑賞?聞いたことないよ」と思うかもしれません。でも、美術鑑賞によって仕事に使う能力を伸ばすことができます。

一つは、美的センスが身に付くことです。美的センスもですし、本物の良さがわかる目も見に付きます。美術品の歴史的価値や込められた意味を理解してなくても、飾られている美術品を「なんとなくいいな」「これはわからないな」「家に飾りたいな」などと眺めることによって美的センスというものは鍛えられます。

勉強とは違い、美的センスというものは明確にわかるようになった感覚は得られないですし、偽物と本物を見分ける目だって100%正解できるようにはなりません。でも、美術鑑賞を繰り返すことで必ず進歩していきます。

進歩というか目が慣れるという言い方がわかりやすいかもしれません。数百年変わらず「良い」と言われている価値の高いものに目が慣れることで、本物と偽物の違いがわかるようになり、いいと言われるセンスが見えるようになり、自分の美的好みも明確になっていきます。

そしてそれがなぜビジネスに繋がるのか。理系の人は特に、美的センスなんてなくても仕事に支障はないよと思うかもしれません。でも人がお金を出す商品なりサービスなり仕組みなりには「美しさ」という評価軸が必ずあります。

iPhoneだって美しいから売れているのです。便利なだけでは売れません。ワクワクするようなパワポは取引先にウケるでしょう。クリエイティブな面だけでなく、発言や行動だって「センスないな~」と思うことありますよね。これだって美的センスだと思いますよ。数学だってビシッとした美しい数式には惚れ惚れします。

つまり、僕たちはあらゆる面で美しさという評価軸のある世界に生きているわけです。美的センスを鍛えることが非常に有益だとお分かりいただけたでしょうか。

美術鑑賞で教養が身に付く

二つ目は、教養が身に付くからです。教養がある人は賢く見えますし賢い人と仕事がしたい、賢い人に仕事を頼みたいと思うのはごく普通のことです。

海外の人にとっては当然の知識

日本では美術に疎い人も比較的多いですが、世界のエリートは会議や会食の場で美術についての話をすることが多いんです。そのため、まず海外とのやり取りがあるような仕事につく人にとっては美術の教養は必須と言えるでしょう。

例えば日本でも、例え話でゴッホが出た時に「ゴッ…ホ?って、誰ですか?」と言ってしまったら、この人大丈夫かなと思ってしまいますよね。

フランス人との会食の時に、壁にかかっている絵の感想を求められて「知らないです」と言うわけにいきません。いくら英語がペラペラでもバカだと思われてしまいます。フランス人なんかは美術鑑賞で抽象的な感想を言い合うのが日常茶飯事ですから、わからないわからないと思わずに直感的に思ったことを話す必要があります。

歴史の知識が身に付く

海外の人と話すタイミングがなくても、そして美術について話すタイミングもなくても、美術で得た教養はあらゆるところで役に立ちます。

美術鑑賞をする上で見に付く教養は、まず歴史です。世界史・日本史の知識がなければ美術鑑賞は面白くないですし、ただなんとなく美術鑑賞をしているだけでも少しずつ世界史の知識というものは入ってくるんです。

例えば、『○○美術館展』のような展示会の場合、○○美術館にある作品が年代別に並んでいることが多いです。15世紀はルネサンスね、19世紀になると戦争が起こって…などのざっくりとした歴史を何度も意識することになります。年号までしっかり覚えてる必要はないですが、鑑賞を深めるうちに何度も出てくる年号は覚えてしまったり。1867年のパリ万博とか、1926年の世界恐慌とかですね。

年号を知っているからなんだと思うかもしれません。ですが、何かの歴史品を見ているときに『1870年の品』とあれば、「パリ万博の後か、じゃあヨーロッパにジャポニズムが流行した頃だな」とか「日本の要人がパリ万博に出てその技術の高さに影響を受けているから、その後にこれが出来上がったんだな」と、理解を深めることができます。断続的に変わっていく歴史の、節目を捉えられるようになるんですね。

世の中のニーズと価値がわかるようになる

美術の歴史は世の中のニーズの歴史でもあります。それを鑑賞していくことで、需要と供給による価値の変動が掴めるようになります。「美術品ってなんで高いの?」「幼稚園生でも描けそうな絵に、何百万ドルってどういうこと?」と、よく話題になりますよね。美術作品と値段の話は切っても切れません。

各値段のつけ方は一概には言えないのですが、美しいからという理由だけでないのは明白です。歴史的価値があるから、歴史的価値のある人が書いているから、希少性が高いから、セレブにブームだから、フェミニズムの要素があるから、盗まれて話題になったから…などなど、いろんな理由で莫大なお金が動きます。

また、美術館が企画展でどのくらい集客できているのか、美術品を持っていることが観光資源になっているのか、それによって海外から人が呼び込めているのか、などなど、もっと広い範囲のお金の動きについて考えるきっかけになります。

お金の動きとともに、何が世の中にウケるのかという感覚を漠然と掴むことで、ビジネスに活かすことができます。

日本と世界の文化がわかる

歴史と同じくらい大切なのが、文化という背景を知ることです。着物を着ているから日本の絵だな、とわかるように、絵から読み取れる文化の情報はとても多いです。

例えば、オランダ絵画は西洋美術の一大カテゴリです。フェルメールやレンブラントなんかが有名ですね。ゴッホもオランダ時代があります。このオランダ絵画を見ていて読み取れるオランダの文化はたくさんありますよ。

オランダは海洋国家ですから海鮮が描かれていることが多かったり、貿易が盛んでアジアの品がよく描かれていたり、海洋国家で儲けた時代に中産階級が増え市民が裕福であったり。商人が力を持った国だったのでプロテスタントが流行ったり、プロテスタントは偶像崇拝が禁止なので宗教画が描かれなかったり、宗教画がダメだから風俗画や風景画が生まれたり、などなど。あげたらキリがないほど絵と文化は密接に関わっています。

各国の文化を暗記していこうと思ったら非常に面倒くさく無意味な行為に思えますが、美術鑑賞という美しいものを楽しくみていく過程で自然に身に付く知識だとしたらどうでしょう。各国の文化に精通していて考察までできるって素晴らしいと思いませんか?

思考を鍛えるトレーニングにもなりますから、仕事で活きるスキルと言えるでしょう。

旅行が3倍楽しくなる

大学生は時間がありますから、夏休みなどを使って旅行に出かける人も多いですよね。国内だけでなく海外に行く人も多いでしょう。

美術鑑賞を趣味にすることで、その旅行を3倍楽しくすることができます!

海外旅行の方が想像しやすいと思うんですが、例えばパリに旅行に行く場合、旅行パンフレットを覗くと必ずといっていいほどルーヴル美術館が観光スポットとなっています。ロンドンであればロンドンナショナルギャラリーですね。

国内旅行でも、お寺や神社の観光で仏像だったり掛け軸、屏風があることも多いです。美術館も各都道府県に2~3個はあるはずです。

知らず知らずのうちに、旅行中美術作品に触れているんですね。で、美術について全く知らない・興味がない状態であればこれをスルーして旅行してしまうんです。ルーヴル美術館にとりあえず行ったけど入口で写真撮っただけで終了なんてことも。モナリザくらいは有名だから見とく?思ったより小さいな、凄く混んでるしもう出ようか…となったら非常に勿体ない!!想像するだけでも勿体ないです!!

美術について詳しくなり、鑑賞の楽しさを知ることで、旅行をもっともっと有意義なものにすることができますよ。

大学生こそ、美術館で教養を身に着けよう!

大学生という比較的時間が自由に効く時に、美術鑑賞をしてみましょう!ぜひ趣味にし、定期的に美術館に足を運ぶことで教養を身に着けてもらいたいです。

教養が身に付き、「お、この人わかってるな」「教養あるよなあ」と思われる人になることでメリットはたくさんあります。

そして何より、わかるようになってくると美術鑑賞そのものがとても楽しいです!頭をフル回転して学びモードにすることも、単に美しいものを見て頭を空っぽにすることも自由自在になりますよ。