20代の教養

【小学生でも分かる】ように中国“一帯一路”を解説【大きな転換点です】

 

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最近テレビで中国の“一帯一路”のニュースをよく聞くけど、どんな政策なの?ネットで調べても小難しいサイトばかりだし、分かりやすく教えて欲しい!

この記事はそんな悩みにお答えします。

中国が推進する巨大経済圏構想である一帯一路ですが、そもそもどんな政策で何の目的があるのか分かりにくいところ。

そこで今回は、小学生でも分かるように一帯一路構想を解説していきます。変化の激しいこれからの時代だからこそ、世界の動向をチェックしておくことは必須ですよ。

 

中国 一帯一路構想とは何か

いきなり結論から話しますが、一帯一路とは中国とヨーロッパを陸路と海上航路でつなぐ物流ルートを作って貿易を活発化させる施策です。

高校の授業でシルクロードを習ったと思いますが、その現代版と考えるのが一番分かりやすいです。

シルクロードとは:古代中国とヨーロッパを結ぶ交易路。中国特産の絹(シルク)を運ぶために用いられた。

現代版シルクロードである一帯一路では、

①陸のシルクロード

②海のシルクロード

の2つのルートが存在します。

出典:台湾国防白書

まず陸のシルクロードでは貨物列車を用いて、中国からは電子機器や自動車部品等を、ヨーロッパからはワインやチーズ等を運んでいます。

特に日本からヨーロッパまで船で運ぶまでに1ヶ月はかかりますが、鉄道だと2週間しかかからないので単純計算で2倍の貿易効果が見込めます。

そうした背景は数字にも表れており、中国とヨーロッパをを結ぶ貨物列車の運行総数はここ6年で200倍に増えています。2011年は年間で17本しか貨物列車は通っていませんでしたが、2017年にはおよそ3600本に増えたので中国がどれだけ力を入れているのか分かります。

そして、海のシルクロードでは、アジアからヨーロッパにかけて様々な港の使用権を取得して貿易をスムーズに進める準備をしています。輸送の際に立ち寄れる港が多いほど不測の事態に備えることができますし、いざというときは陸のシルクロードで輸送することも可能です。

出典:NHK

少し例を出して考えてみます。北海道から沖縄までパソコンを運ぶA社とB社があり、

A社:使えるのは北海道と沖縄の港だけ

B社:東京と鹿児島の港が利用できる。東京から陸路で鹿児島まで配送可能

どちらが安全に運べるかは一目瞭然で圧倒的に後者です。世界中で網目のような物流ネットワークを実現させようとする構想こそ、中国の一帯一路なわけです。

 

なぜ中国は一帯一路を始めたのか?

ではなぜ中国は莫大な資金をかけて一帯一路を実現させようとしているのでしょうか?理由は2つあり、

①余った資源を再利用するため

②途上国にインフラ投資のニーズがあったため

それではひとつずつ見ていきます。

 

余った資源を再利用するため

まず一つ目の理由は、余った資源を再利用するためです。国内で進めていたインフラ整備で余った鉄やセメントをそのまま捨てるのではなく、他の国のインフラ整備をしてお金を稼ごうとしたわけですね。

そもそも資源が余った背景としては、リーマンショックが関係しています。最低限知っておくべきリーマンショックに関する知識はこの記事でまとめています。

リーマンショックによって世界的な不況が訪れたのですが、中国は経済の失速を防ぐためにビルや公共施設、高速鉄道といったインフラ整備を一気に進めました。

その結果、中国経済の成長率が回復したのですが、同時に鉄やセメントも大量に余ってしまったわけです。国内で消費できないなら国外に運んで再利用しよう、そう考えて一帯一路構想がスタートしました。

 

途上国にインフラ投資のニーズがあったため

中国が余った資源を再利用しようと考えても、それを活用できる国がないと話は進みません。

しかし、中国とヨーロッパの間に位置する国は経済的に貧しい国が多いので、ぜひ自分の国のインフラを整備してほしい!というニーズがあったわけです。

ヨーロッパと聞けば裕福に聞こえるかもしれませんが、東ヨーロッパの国はイギリスやフランスと比べて給料は三分の一で、教育制度も不十分なので英語もちゃんと話せる人も少ないのが現状です。

なので、インフラの基礎を中国に整備してほしいという国の声も多く、一帯一路構想は着実に形になっていきました。

 

一帯一路の問題点

そんな一帯一路構想ですが、いくつか問題点も浮かび上がっています。それがこの2つ。

①債務の罠による新植民地主義

②アメリカとの本格的な衝突

それではひとつずつ見ていきます。

 

債務の罠による新植民地主義

まず一つ目の問題が、債務の罠です。平たく言うと、インフラ整備を中国にお願いする東ヨーロッパをはじめとする開発途上国が、借りた分のお金を返済できなくなる問題を言います。

お金が返せなくなるとその土地や港の権利を中国に譲渡することとなり、事実上中国のものとなってしまいます。現にスリランカの港も借金を返すことができず、今後99年間に渡って港の運営権を中国に引き渡しました。

まるで香港のようですね。香港もデモを繰り返していた時期もあり、中国との関係を大きく揺るがした出来事です。

こうやって中国・ヨーロッパの間で存在感を高めており、そのやり方が新植民地主義と非難されています。

仮に権利を譲渡しなくても、開発途上国は投資された莫大なお金を運用した経験もありませんし、結局中国の言われた通りの施策を取り入れるようになるので事実上の植民地な訳ですね。

 

アメリカとの本格的な衝突

一帯一路構想によって今まで避けてきたアメリカとの衝突が現実のものとなってきました。

中国はGDP(国内総生産)も日本を抜いて世界第2位となり国際的な影響力を増してきていますし、何より次世代通信規格である5Gを一帯一路エリアで広めようとしていることが大きな原因です。

アメリカは昔から通信技術を利用して各国の様々な情報を把握してきたので、中国が同じような通信システムを完成させるとかなり厄介になるのでしょう。

最近は米中貿易摩擦も問題になっており、両国の関係性ひとつで世界の歯車は一瞬にして狂う可能性が大いにあります。

 

一帯一路による日本への影響

今回の一帯一路構想によって、日本企業にとってもビジネスチャンスが広がる可能性もあります。というのも、この一帯一路は国際機関や協定と違い、どの国でもいつでも参加できる規制のゆるい枠組みとなっているからです。

安倍首相も会見で、「一帯一路の構想は万人が利用できるように開かれており、透明で正式な調達によって整備されることが重要」と自らの考えを述べています。

もちろん、参加する際には日米の関係性も考慮する必要がありますが、現状は付かず離れずの一線を画す立場を取っています。なので、今後の展開から目が離せませんね。

 

まとめ

いかがでしたか?

中国の一帯一路構想とは、現代版シルクロードと呼ばれており、アジアとヨーロッパを結んで貿易を活性化させる施策です。

インフラ投資された開発途上国が植民地化することや、アメリカとの衝突が現実のものとなる可能性があり、間に挟まれる日本の対応に今後も注目です。

最低限知っておくべきアジアの話はこちら。

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